「Rahsaan Roland Kirk In Europe 1962-1967」
日本ではローランド・カークはながらくゲテモノ扱いで、1980年代のLP末期からCD初期にかけて、やっと代表作の多くが入手可能になったような記憶があります。その頃の日本盤の解説をみても、あの三本同時奏法とか雑多な楽器については、詳しい説明がほとんどなくて、写真もごくわずかしかなかったので、どうしてあんな演奏ができるのかぜんぜんわかりませんでした。DVDが手軽に買えるようになって、一番うれしかったのがローランド・カークのマンゼロ、ストリッチ、テナー・サックスの三本同時演奏を見ることができたことでした(ちなみに、2番はチーフタンズ、3番がブライアン・ウイルソン・バンド)。このDVDでは1964年のミラノでの演奏が見応えがあり、グランド・ピアノの上に並べたホーン類や、首からぶら下げたホイッスル、サイレンなどを取っ替え引っ替えしつつの熱演が楽しめます。
「ジャズ批評 171号 特集 ローランド・カーク大全集」隔月刊になってからの「ジャズ批評」はいまいち読み応えのない特集が続いていましたが、この「ローランド・カーク大全集」は画期的なできばえで、永久保存する価値があります。現在、知られているほぼすべてのLP/CD/DVDがジャケット写真、曲名、共演者等のデータ附きで紹介されていますが、なんと言ってもすばらしいのが、カークの曲ごとの使用楽器がすべて記載されていることです。大部分のCDのライナーには使用楽器がいくつかあげられてはいるものの、省略されているものも多く、まして一曲ごとの使用状況などはほとんどわかりませんでした。本誌によれば、カークの使用楽器と鳴り物は70種もあるようですが、それらがどの盤のどの曲で使用されたかがわかるわけです。もっとも凡例によれば、実際にCD等で聴けるのは、声も入れて23種のようですが、ユーチューブで探せばその他を使用した演奏も見つかるかもしれません。
うちの店では、「ジャズ批評」のバックナンバーは季刊だったころの号のほうがいまでもよく売れますが、在庫のある号はかなり少なくなってきました。隔月刊のはあまり揃えておりませんが、季刊と別冊類は版元に在庫がある分に関してはほぼすべて揃えています。くわしくはこちらをごらんください。

