2015年11月08日

「感想文集(天野さんの傘)」「中原中也研究20」「貸本漫画研究2-03」

kansoshu.JPEG 「感想文集(天野さんの傘)」ぽかん編集室

「感想文集(天野さんの傘)」は真治彩編集のA5判の小冊子で税込み650円。服部滋、中野もえぎ、出海博史、扉野良人、佐藤和美、林哲夫、能邨陽子、澤村潤一郎、真治彩、石橋正孝、福田和美の11名が各2頁、目次と執筆者紹介各1頁で全24頁、表紙イラスト林哲夫。この小冊子は“第5回かまくらブックフェスタ”での販売用に作成されたものだそうで、今回入荷したのはたぶんその“売れ残り”なのでしょう。2015年10月10日発行となっています。、
「天野さんの傘」といえば、10月21日の毎日新聞“ブックウォッチング 街の本屋さん 三月書房”に、“又吉さんの芥川賞受賞作「火花」も10月上旬の取材時点では「2冊しか売れていません」と宍戸さん。一方、京大で仏文を教えていた小説家の山田稔さんの新刊エッセー集「天野さんの傘」(編集工房ノア)は「すでに60冊は売れました」”と書いていただき、ノアの社長もたいそう喜んでました。この本はいまだに売れているので、おそらく年内に80冊は超えるでしょう。「火花」はぜんぜん追加が入荷しないし、客注もないので2冊のままです。こういう本は全国どこの書店でも買えるので、うちの店でわざわざ買ってくれる方がきわめて少ないわけです。
この本の通販は三月書房のサイトの“他店ではあまりみかけない本”の頁からどうぞ。「ぽかん」のバックナンバーもあります。

tyuya20.JPEG 「中原中也研究 第20号」中原中也記念館

「中原中也研究」編集委員会編の「中原中也研究」は年1回の発行で、20号の特集は「中原中也と丸山薫」。池澤夏樹、福間健二ほかの講演、宇佐美斉ほかによるシンポジウム、鷲田清一の論究ほかで税込み2000円。この雑誌はバックナンバーもすべて揃っています。通販は三月書房のサイトの“「中原中也研究」の在庫”のページからどうぞ。ただし、記念館での直販では大幅なバーゲンが行われているようです。記念館のツイートによると“機関誌「中原中也研究」の価格を改定いたしました。最新号は変わりませんが、既刊の1〜10号が1冊1000円、11〜19号が1冊1500円、創刊号から20号までのセットが20冊で15000円となります”とのこと。いまのところうちの店には何の連絡もありませんので問い合わせ中です。

kasihon2.3.JPEG「貸本マンガ史研究 第二期3号(通巻25号)」

「貸本マンガ史研究第二期3号」の特集は“辰巳ヨシヒロと劇画”で、つげ義春、つげ忠男、バロン吉元、池上遼一、矢代まさこ他十数名が追悼文を載せています。つげ義春氏は白土三平の真似をしたことはあるが影響は受けていない、しかし、辰巳ヨシヒロの初期作品にはモロに影響を受けたとのこと。
今年の7月に平凡社から「原水爆漫画コレクション」全4巻が刊行されましたが、これらには貸本漫画史研究会の協力があったと記されています。第二期1号には“原爆と貸本マンガをめぐって”の記事もあったことなので、この3号にも宣伝記事とか広告とかを載せるとよかったと思うのですが、何も見当たらないないようです。
この雑誌の通販は三月書房のサイトの“他店ではあまりみかけない本”の頁からどうぞ。バックナンバーも少しあります。

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2015年10月20日

「筑摩文庫」10点復刊

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“ちくま文庫30周年記念復刊”は全10点。残念ながら初回配本はセットしか選べないので、全点各5冊で計50冊入荷。これがバラで発注可能ならば、辻まこと「虫類図譜[全]」13冊、「内堀弘ボン書店の幻」と「上林暁酒場小説集 禁酒宣言」と安西水丸「東京エレジー」が各7冊、谷川俊太郎&和田誠「ナンセンス・カタログ」、赤瀬川原平「純文学の素」、小沼丹「清水町先生」、吉村昭「熊撃ち」、三島由紀夫「恋の都」が各3冊、阿川佐和子「笑ってケツカッチン」1冊で計50冊としたかったところ。いずれはバラで補充もできるはずなので、売れ行きを見て早めに追加を仕入れたい。
ところでこれらの文庫の半数は今回の復刊でやっと第2刷となってます。「虫類図譜」は1996年、「清水町」が1997年、「禁酒」が1999年、「恋の都」が2008年、「東京エレジー」は1989年がそれぞれ第1刷です。よーするに売れ行きはちっともよくなかったわけです。それでも重版したのは、三島由紀夫は「命うります」が売れてるからとか、安西水丸は逝去後の人気が高いからとかでしょうが、「虫類」「清水町」「禁酒」はなぜ選ばれたのでしょう。ちょっと調べたところでは、古書価はそれなりに高かったようで、アマゾン・マーケット・プレイスでも、1円だの100円だのということはなく、元定価程度はしていたようです(※現在は重版後なので定価以下ですが)。次の重版はまた10年位先になるかもしれないので、お早めにお求め下さい。ちなみに残りの5冊は過去にも重版したことがあり、「ボン書店」と「純文学」とが今回第3刷、「ナンセンス」と「熊撃ち」が第4刷、そして「ケツカッチン」が第8刷となってます。

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2015年08月29日

「丸善 京都本店」

<天に唾する>京都の書店のうわさ 別冊062

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8月21日オープンの京都BALの地下1階と2階に出店した「丸善京都本店」を軽く見学して来ました。地下1階が文具と雑誌、コミック、文庫、新書、文芸書など、地下2階がカフェと洋書、専門書など。同店の開業前の宣伝では“地区最大級のカフェ併設大型書店”とあったので、どんなに大きなカフェなのかと楽しみにしてましたが、ごく狭い店でした。“地区最大級”というのは“カフェ”ではなく“併設書店”のことのようです。いまどき書店では儲かりっこないので、どでかいカフェで稼ごうとしているのだとばっかり思ってたのでちょっとがっかりしました。品揃えについてはちょっと見ただけなのでよくわかりませんが、雰囲気はなかなか上等でした。界隈の文具店は、ここ10年ほどの間に、文滴堂、ワカバヤシ、壷中堂とすべて閉店してしまったので、丸善の文具売り場の復活はけっこうなことでしょう。ただし、丸善の閉店中にLOFTができたのでいまさらという感もありますが。以前のジュンク堂BAL店に比べると雑誌が少なくなっているような気がしますが、方針の違いなのか、あるいはここ数年で雑誌の売り上げが激しく落ちているからなのかは不明です。

先代のBALに比べるとビルの外観はやや安っぽくなったように思えますが、床面積が増え、テナントもいまのところはわりとちゃんと入っているようなので、河原町商店街の止めどない下流化にわずかながらも歯止めになるかもしれません。

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2015年08月18日

「脈 85号」「安心貧乏生活」「草木と手仕事」

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比嘉加津夫・編集「脈 85号 特集・谷川健一と沖縄〜没後2周年にあたって」
  2015.08.20発行 A5判/178頁 定価1000円+税 脈発行所

85号は谷川健一の特集で松本輝夫「谷川雁と谷川健一(素描)」、金田久璋「谷川健一にとって沖縄問題とは何か」、正津勉「梟の導き――谷川健一歌考」ほか
次号は「車谷長吉 追悼特集」の予定だそうです。順調なら11月に出るはず。

脈発行所の本の通販は三月書房のサイトの「脈発行所の本」のページからメールでどうぞ。「脈」と「myaku」のバックナンバーも少しあります。

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『安心貧乏生活』瀧口夕美 四六判並製/128頁 1800円+税 編集グループSURE

発行所のサイトの宣伝文によると「ほどほど低収入の私が、こんな暮らしに不安を覚えず生きていくには、どんな心構えでいるのがいいんだろう?みずから安心を築いた、人生の先輩達に聞きました。−−−お金はないんですけど、どうしたら安心できますか?」
というようなことらしいです。答えているのは1948年生まれの印刷業の男性、1935年生まれの絵描きと1945年生まれの連れ合いのひと、そして1945年生まれの元大学教員。いずれも元べ平連とかヒッピーとかの経験者で、いわゆる高度成長期にそれなりに楽しい人生を送ったひとたちばかりのようです。よーするに、この本の想定読者は“ほどほどの低収入”がおありの方々であり、現在の“無縁社会”を生きる“ほどほどの低収入”すらおぼつかない“非正規労働者”や“漂流老人”のかたがたには、ほとんどなんの参考にもならないお話でしょう。
編集グループSUREの本の通販は三月書房のサイトの「編集グループSUREの本」のページからどうぞ。

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「草木と手仕事」石田紀佳(絵・ノラヤ) B6判/192頁 定価1500円 発行者・久島玲子
発行者の方に強くすすめられたので、よくわからないまま仕入れてみましたが、表紙は地味だし、棚に差してしまったら薄くてほとんど目立たないし、あまり類書もないしで、店のどこに並べればいいのかよくわかりませんでした。それで中途半端な場所に投げ出しておいたら、意外によく売れてます。手にとってぱらぱら見てみたら、好ましい本とわかるらしく、これは本自体にかなりの力があるからでしょう。全45項目の草木まつわる話とその草木の調理法あるいは利用法が載ってます。多くは食品関係ですが、シュロ、柿渋、漆、コウゾ、木綿、カラムシ、藍、杉葉香など非食用の工芸関係も少しあります。
この本の通販は三月書房のサイトの「他店ではあまり見かけない本」のページからどうぞ。

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2015年08月01日

お盆休みのお知らせ

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地べたの店は8月11日(火)〜13日(木)休みます

今年も火曜の定休日を含む3日間を盆休みといたします。出版業界の運休日は13日から16日ですから、合わした方が仕事の段取りはよいのですが、近年うちの店は週末とか連休が稼ぎ時なので、このような日程にしました。

このブログの7月15日に「いよいよ出版流通業界はその全面崩壊まで、残すところあと首の皮一枚半というあたり」と書いたところ、「一枚半」とはどういう勘定なのかと聞かれました。もちろん、なんの数字的根拠もない、ごくごく情緒的なものにすぎません。それでも、いちおう説明をしておきますと、日販とトーハンで「一枚」、大阪屋、栗田ほかで「半枚」というつもりです。よーするに、一番言いたかったことは、日販とトーハンが各一枚で計二枚ということではなく、両社は一蓮托生であろうということです。つまりどちらかがこけたら残った方の一人勝ちかといえば、残った1社では全部の出版社を支えるのは無理なので、出版流通業界の全面崩壊は避けられないだろうということです。日販とトーハンは表面上は激しく争っていますが、おそらく冷戦時代の米ソと同様に、共倒れするような致命的な事態を避けるために、水面下では協調しているはずです。「半枚」の大阪屋と栗田の二次卸スキームとかいうものは、あまりにも強引に出版社に損を押しつけようとしすぎているようで、うまくまとまるかは不明です。とくに突然出てきた「片面的解約権(返品権)付売買契約」とかいうものは、おそらく取次業界が秘匿していた最終兵器のようなものであり、失礼ながら栗田程度の案件に持ち出したのは戦略的には失敗だったように思われます。これはもっと上位の取次がピンチになるまで温存しておいたほうがよかったのでは…。もっとも、これで出版社が取次との約定書や契約書を見直すことになれば、業界全体が改善の方向に向かうかもしれませんが。

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2015年07月24日

京都×モンドくんウィーク

books_imamadeninai-thumb-150xauto-185.jpg 「今までにない職業をつくる」甲野善紀 ミシマ社

いまいちよくわからないまま、近所づきあいということで、ミシマ社さんの「京都×モンドくんウィーク」とかいうものに参加してます。うちの担当は、店頭にモンド氏(※上記の甲野本の表紙画の画家)の作品をを一枚展示、「ヨゾラ舎」や「レティシア書房」他とのスタンプラリー、そしてモンド氏のポスト・カード販売というあたりです。どうもこのポストカードの販売というのは経験がなく、宣伝用のフリーカードと間違えられそうでちょっと心配です。その他詳しいことは、ミシマ社のサイトでご確認ください。

dadaf27d-s.jpg京都×モンドくんウィーク 7/24(金)〜8/9(日)

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2015年07月21日

「三月書房販売速報[121]」発行のお知らせ


三月書房販売速報[121]
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2015/07/21[17-02-121]  (c)SISIDO,Tatuo   *転送歓迎*

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 121号
            ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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◎主な内容
[#01] 最近売れてるような気がする本
[#02] これから売れそうな気がする本
[#03] 短歌本の売上げ(TOP10) 2014/06〜2015/05
[#04] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その83)
    ○アスタルテ書房の閉店セール
    ○「丸善 京都本店」8月21日オープン
    ○京都市内の新刊書店の閉店ラッシュ
[#05] 近ごろちょっとまずいことになったらしい出版社など
    ○栗田出版販売の民事再生法について
    ○「パッチワーク通信社」「国土社」が破綻
    ○舎主が事故死した「冬弓舎」のこれから
[#06] etc.… 
     ○クロネコメール便は10月末までは暫定的に利用可能
    ○「京都『トカイナカ』暮らし」と「ハンケイ500m」25号
---◎受贈御礼◎勝手に宣伝---------------------------------------------
 出版人に聞く17 「『週刊読書人』と戦後知識人
      植田康夫(聞き手・小田光雄)
       定価1600円+税 論創社
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nakazawa-kei.jpguta0001.txt」中澤系 

短歌本の売上げ(TOP10) 2013/06〜2014/05
  01 19冊 「(歌集)流木」高野公彦 角川学芸出版 ※売切れ
 02 14冊 「(歌集)行け荒野へと」服部真里子 短歌研究社
 03 13冊 「(覆刻版歌集)踏繪」柳原白蓮 ながらみ書房
 04 10冊 「(歌集)きなげつの魚」渡辺松男 角川学芸出版
 04 10冊 「(歌集)uta0001.txt」中澤系 双風舎
 06  9冊 「(歌集)ひだりききの機械」吉岡太朗 短歌研究社 ※通算14冊
 (以下略)
現代短歌関係本の売上は徐々に落ちつつあるようです。角川短歌叢書はめったに重版しないので、「流木」他販売機会を喪失しがちなのが多くて困ります。もっとも売れるのはそう多くはなく、売れないのは自由価格本になっても売れませんが。
栗田と大阪屋の「二次卸スキーム」といかいうのは、あまりにも出版社の負担が大きく、しかも不可解なことが多いので、すんなりとはまとまらないでしょう。出版社で最大の債権者であるKADOKAWAは、上場会社なので株主代表訴訟のリスクを考慮する必要があり、非上場の大手のようには動けないと思われます。そして、この問題は今後の総合取次の破綻のモデルケースになりかねないため、あまり強引なことをしてしまうと、最悪の場合、業界全体の流通がフリーズしてしまう危険性すらあるでしょう。
この件については「E Book 2.0 Magazine」7月21日付の「栗田倒産が起動した「業界」解体のシナリオ」をぜひお読みください。

「三月書房販売速報」のバックナンバーはこちらでお読み下さい。最新号は発行の1月後にアップします。定期購読のお申し込みは、同じページからメールにてお申し込みください。

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2015年07月15日

山田稔「天野さんの傘」

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山田稔「天野さんの傘」 定価2000円+税 編集工房ノア

栗田出版販売の破産で、いよいよ出版流通業界はその全面崩壊まで、残すところあと首の皮一枚半というあたりまで来ています。うちは栗田とも大阪屋とも取引がないので、いまのところ直接的な影響はありませんが、栗田の民事再生の行方次第では出版社の連鎖倒産もありそうなので、この夏はいろいろうっとうしいことになりそうです。(※この栗田出版の件については、月曜社のブログをおすすめします)
あまりあてにはならない私見によれば、出版流通業界の崩壊にはかなりの耐性があると思われる編集工房ノアから、山田稔氏の待望の新刊が発売になりました。帯に「生島遼一、伊吹武彦、天野忠、富士正晴、松尾尊允、師と友。忘れ得ぬ人々、想い出の数々、ひとり残された私が、記憶の底を掘返している。自由なスタイルが、時代の杭ともなる、文の輝き。」とあります。
内容は既発表の六篇「生島遼一のスティル(a)」「長谷川さんの葉書(b)」「ある文学事典の話 黒田憲治(c)」「一本一合 北川荘平と『日本小説を読む会』(d)」「ある<アンダスン馬鹿>のこと(e)」「富士正晴という生き方(f)」と、2013年から2015年に書かれた未発表の五篇「伊吹さん」「天野さんの傘」「古稀の気分 松尾尊允」「裸の少年」「初心忘るべからず」です。装幀、林哲夫氏。
※(a)生島遼一「春夏秋冬」解説、(b)「ぽかん」4号、(c)「海鳴り」25号、(d)「VIKING」702号、(e)「海鳴り」26号、(f)2014年11月の講演に加筆。

この本の通販は、三月書房のサイトの「編集工房ノアの本の在庫」のページからどうぞ。送料等120円。いまなら「海鳴り 27号」のおまけ付きです。

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2015年07月05日

訃報 冬弓舎内浦舎主が事故死

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NHK京都放送局のサイト記事「自転車の男性が用水路に転落」よれば、内浦氏は5日未明に用水路に転落して亡くなられたようです。享年45歳。冬弓舎の最高の仕事は、現代の人文書業界ではトップクラスの人気著作者である内田樹氏を「発見」したことでしょう。氏の最初の一般向け著作「ためらいの倫理学」は2001年の刊行ですが、その出版の経緯については、2003年刊の角川文庫版のあとがきにて、内田樹氏が謝辞とともに詳しく記されています。ちなみに角川はこのような他社が企画した本を文庫化する際には、2%だったかを元版の版元に支払ってくれるそうです。
小生が内浦氏と個人的に親しくなったのは、2001年7月刊の今野裕一著「ペヨトル興亡史―ボクが出版をやめたわけ」 に寄稿を求められたからで、何度か酒席をともにしましたが、彼の酒の強さはすさまじきものでした。最初はペースをあわせて飲んでいたのですが、こちらはつぶれそうなのに、あちらはまったく飲み足りなさそう、というわけで、彼の左手に芋焼酎のロックの大ジョッキを持たせ、右手のコップや猪口で相手をしてもらったりしてました。ほとんどつまみを食べないので両手がふさがっててもかまわないようでしたから…。 それはともかく、内浦氏はDTPやネット関係にも強いフリーの編集者として、請負仕事で稼いでおられるようでしたから、冬弓舎は赤字にさえならなければよかったのでしょう。いま検索するとこの15年間の刊行数は34冊ですが、ちかごろは神戸女学院大学関係の(たぶん)受託制作本がほとんどで、あまりうち向きの本はありませんでした。以前は、「ペヨトル興亡史」や内田樹本のほか、甲野善紀本などうちの店でもそこそこ売れる本もあったのですが。
現在、出版業界はいつ大崩壊しても不思議のない末期的な情況ですが、この冬弓舎のように自宅で一人でやっていて、しかも生活費は外で稼いでいるというような出版社は、おそらく大崩壊の際には一番耐久力があるのではないでしょうか。まだ、ほんとうに若かったので大崩壊後にはむしろ活躍の場が広がったかもしれません。まことに残念なことでした。

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2015年06月23日

「アスタルテ書房」の閉店セール

KkeYA1cw_400x400.jpg 「アスタルテ書房」のTwitterより

朝日新聞でも大きく紹介されましたが、「アスタルテ書房」のご遺族が閉店セールを開始されました。突然はじまった同店のTwitterによれば、「アスタルテ書房閉店に伴い、蔵書を半額で購入頂けます」とのことで、期間は明記されていませんが、「14:30〜20:00(木曜定休)」となっていますから、しばらくは営業されるのでしょう。販売されるのは本だけなのか、手紙や原稿などの肉筆物、あるいは置物や額物や本棚や机等も売り払われるのかは不明です。

posted by 三月山 at 20:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 京都の書店のうわさ 別冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする