「山田稔自選集 3」
四六判上製331頁 定価2300円+税 編集工房ノア
「山田稔自選集 3」が入荷しました。これにて全3巻無事完結です。
*帯の文
初めてのパリ、ブーローニュの森近く閑静なアパルトマンで
‘’アンデパンダン‘’な老人と過ごした日々、シャルル=ルイ・フィ
リップの生地でのシモーヌさんとの出会いと別れ、スコット
ランド北端で知った人の情け━さまざまな心の触れ合いを
静かに回想する散文の華。自筆年譜付。
*目次
オートゥイユ、仮の栖(a)
食卓仲間(b)
残光のなかで(b)
*
小さな町で━シャルル=ルイ・フィリップ(c)
シモーヌさん(d)
ポー、ふたたび━ロジェ・グルニエの場所(c)
テス・ギャラガーを読んでいたころ(d)
*
ジョン・オグローツまで━スコットランド(e)
*
自筆年譜
あとがき━選を終えて
※(a)講談社文庫「幸福へのパスポート」所収。河出書房版、編集工房ノア版には未収
(b)「幸福へのパスポート」所収
(c)「太陽の門をくぐって」所収(?現物未確認)
(d)「八十二歳のガールフレンド」所収
((e)「旅のなかの旅」新潮社、白水社Uブックス所収
自筆年譜は52頁分。講談社学芸文庫「残光のなかで」2004年刊に大幅加筆
この巻にも単行本未収録のは一篇もありませんでしたが、詳細な自筆年譜が読み応え十分です。先の2冊にはなかったあとがきもはじめて附されました。これによれば、小説と評論は除外したので「厳密にいえば自選散文集とよぶべきもの」だそうです。
Amazonや「日本の古本屋」で<山田稔>本を検索すると、品切れになっている本はどれもけっこうな価格でした。現在入手可能な本も、いずれは値上がりしそうなのでお早めにお揃えください。
通販のお申し込みは、三月書房のサイトの「編集工房ノアの本の在庫」のページからメールでどうぞ。
2020年07月18日
「山田稔自選集 3」
2020年07月13日
毎日が定休日になってから一月過ぎました
「グレさんぽ ~猫とかキモノとか京都とか(フラワーコミックススペシャル) 」
この1カ月はものすごく忙しくて、てれてれと店を続けていたほうがよほど楽だったでしょう。とくに最初の2週間の肉体労働は、40数年
の書店生活でもはじめてというきつさでした。日販への最終返品の梱包に1週間ほど、そしてそれを積みだした後は、店の本棚や雑誌台などの破壊と搬出。これらが終わり、周囲の本棚を残して、店の真ん中がすべて空っぽになったのが、6月25日ごろでした。
そのせっかくできた更地も、居間や廊下やその他ありとあらゆる場所に溜まっていた、デッドストックや期限切れの預かり品などを集積したら、たちまち埋まってしまいました。この整理作業と直接取引版元の清算作業は現在継続中ですが、まだあと一月近くはかかりそうです。これが借り店舗だったら退去期日に追われるところですが、それが無いのでいささかダレ気味です。
6月中旬に、グレゴリさんからがひさしぶりの新刊を贈られましたが、跡片付けが忙しくてゆっくり読んでる暇がありませんでした。一月ほど放置していたら、こんどは増補版の文庫もいただきました。どちらも、まだちらとながめただけだけれど、あいかわらずどうでもいいこだわりに溢れいて面白そそうです。しかし、こういうものは、ひまなときにゆったりした気分で読まないと楽しめません。肉体労働で疲れているときは、「ゴルゴ13」なんかのほうが向いてるようです(持っていませんが…)。
2020年06月11日
今日から毎日が定休日
たらたらと営業を続けてましたが、ぼちぼち止め時のような気がしたので、昨日の10日で営業を終了しました。もともときっちりしたスケジュールがあったわけではなかったので、いつでもよかったわけですが、コロナ禍の巻き添えなどで、当初の予定よりも一月ほど遅れました。これから、一週間ほどかけて日販への最終返品の荷造りをし、来週半ばには発送できるでしょう。それが終わればのんびり暮らせるはずなのですが、あと片づけや修繕等、しなくてはならないことが多くて、下手すると数年はかかりそうです。
なお、地べたの店は閉店しましたが、12月末に税務署に廃業届を出すまでは、しばらく通販を続けます。ふつうの出版社との取引が終了したので、取り扱える商品はごくわずかになります。通販サイトの全面的な更新をしなくてはならないのですが、早くても今月末まではかかりそうです。
2020年05月25日
最終営業日について
日販からの送品は5月15日で終了しました。毎朝の着荷を開梱するのはけっこう楽しい仕事だったので、それが無くなったのは少しものたりない気がしています。とはいえ、近年は朝の6時台に届くことが多かったので、雨の日や返品のある日は早起きするのがたいへんでしたから、のんびり寝ていられるのはうれしい。
送品が無くなったので、新刊ばかりでなく、補充注文もできなくなり、棚がどんどん空きだして、最上段はほぼすべて空になりました。開業以来70年そのままらしき棚の背板が汚くてみっともないけれど、いまさら気にすることもないでしょう。
直取引の版元からの仕入れはまだ可能なので、SURE、ノア、黒色戦線、猫々堂、バーゲンブック(八木書店)、短歌本などは補充もしていますが、それが無ければもっと棚がスカスカになっていたはずです。
最終営業日については、31日の日曜だろうと考えるられる方が多そうなので、それを外すために6月初めの数日は営業する予定です。日販への最終返品日は未確定ですが、たぶん6月10日から15日のあたりになりそうです。返品の箱詰めは、のんびりやると一週間ほどかかりそうなので、6月に入ればそう長くは開けていられないはずです。というわけで、お早目のご来店をお待ちしています。
2020年05月01日
閉店までおよそ残り一月ほどになりました
二年ほど間からぼちぼちと閉店準備をすすめていましたが、最期になってこんなウイルス禍に巻き泊まれるとは予想もしていませんでした。2月に新聞報道があってからは大繁盛していたのですが、4月に入ってからは来店者が激減しています。久しぶりに来てくださった方の多くが、
閉店までにもう一度来たいとおっしゃってましたが、京阪、阪急、JRの沿線の方が多いので、しばらくは無理でしょう。閉店時期を延期することも可能ですが、終息する見込みが当分なさそうなので、予定通り閉店することになりそうです。いまのところ5月下旬、あるいは6月上旬の“ある日”が、結果としての最終日になるでしょう。
上の写真は下御霊社の夏祭りの献灯提灯ですが、今年は祭礼行列も神輿巡行も露店もなしになってしまいました。うちの店はこの夏に閉店し、年末には廃業しますので、この献灯も今年が最後です。
2020年03月12日
「海鳴り」32号が届きました
編集工房ノアが年に1回発行しているPR誌「海鳴り」の32号が早くも届きました。山田稔氏の「ヌーボーの会のこと」は2段組み15頁分。1960年代の京大仏文科若手有志による読書会の記録で、生田耕作、杉本秀太郎、高橋たか子、西川長夫ほかの方々が登場。荒井とみよの「多田先生の本棚」は多田道太郎氏の思い出。中尾務の「おせわになりました」は富士正晴記念館館長時代の記録。本筋とは関係ありませんが、茨木市の教育委員会は、気にくわん教師を懲罰人事で養護学校に送り込んでいたとのこと。今でもそんなことをしているのでしょうか?涸沢純平氏の「しずかな夫婦」は、昨年末に百歳で亡くなられた天野忠夫人について。その他の内容は、上の表紙画像をクリックして拡大していただけば読めるはずです。
「海鳴り 32」は、例年通り地べたの店またはネットにて、ノアの本及び関係ありそうな本を買っていただいた方に、「おまけ」として進呈しています。まことに申し訳ございませんが「非売品」につき、この冊子のみの通販はいたしかねますのでご了承ください。たくさんいただいていますから、少なくとも「山田稔自選集」の三冊目が出るまでは残っているはずです。
編集工房ノアの本の通販は、三月書房のサイトの「編集工房ノアの本の在庫」のページからどうぞ。
2020年02月25日
「三月書房販売速報[132]「」発行のお知らせ
三月書房販売速報[132]
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2020/02/25[22-01-132] (c)SISIDO,Tatuo *転送歓迎*
e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 132号
※いちおう出版業界向けに制作してます※
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◎主な内容
[#00] 先日の新聞の閉店記事、その後
[#01] 最近売れてるような気がする本
[#02] これから売れそうな気がする本
[#03] 日販への返品率
[#04] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その94)
○みすず書房の書店別売上げランキング
○「ジュンク堂書店京都店」2月末で閉店
[#05] 近ごろちょっとまずいことになったらしい出版社など
○東邦出版(シーロック出版社)、フルネット、新水社、
レヴィプラス4Dmusic、トランスメディアなど
[#06] etc.…
○Amazonが書店への卸業務開始へ
○クリックポストが4月からまた値上げ
〇「別冊太陽スペシャル・京都が京都である理由。」
〇「週刊読書人」の“アンケート特集「2019年の収穫」
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猫々堂の「吉本隆明資料集」は本編191集、別冊2集で完結しました。ほぼ20年間、毎年10号の刊行でしたが、多い集で100冊以上、少ない集でも30冊以上売れていました。その売り上げの6割以上が通販でしたが、それはAmazonでは売っていないということが大きく影響していたはずです。Amazonで扱っていないということは、新本ばかりでなく、マーケットプレイスで古本も売っていないということであり、その結果バックナンバーもほとんど値崩れしていないわけで、その点も強みでした。
「三月書房販売速報」のバックナンバーはこちらでお読み下さい。最新号は発行の1月後にアップします。定期購読のお申し込みは、同じページからメールにてお申し込みください。もちろん無料です。
2020年02月17日
三月書房販売速報[号外] 朝日新聞の記事について
三月書房販売速報[号外]
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2020/02/17[-…-…] (c)SISIDO,Tatuo *転送歓迎*
e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 号外
※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#00] 朝日新聞の記事について
今朝の朝刊の地方版に「京都の名物書店、三月書房が閉店へ」という記事が
載りました。
(※朝日新聞デジタル版に転載あり)
昨秋発行したこのメルマガの131号にも「ごくゆるゆると、そう遠くはなさ
そうな、閉店に向けて、まことにのんびりと作業を進めているのですが…」
と記しておいたので、購読者の皆様には初耳ではなかったはずですが、ご存
じなかった方は少しおどろかれたようです。
この記事は昨日取材を受けたものですが、記事に大きな間違いはありません。
しかし、「5月の連休明けにも店頭販売を終える。」とあるのは困ったことで、
記者の方には、早ければ5月の連休明けにもと話しただけでした。具体的な日
取りは決定していませんし、発表する気もありません。
とにかく、こんな記事が出てしまったので、これを<誤報>にするためにも、
5月の連休明けには閉店しないでしょう。なんだ、閉めると聞いてたのにまだ
やってるのかと、お客が飽きてきた頃合いをみて、ある朝、店を開けずに
「週休七日」の掲示を貼るつもりです。
閉店にあたって絶対に避けたいのは、事前に閉店日を周知して、廃線になる
ローカル鉄道の最終列車のようなお別れイベントにされてしまうことです。
失礼ながら神戸の海文堂さんのときのような目には会いたくありません。
閉店する理由は、記事にもある通り、店主高齢、後継者不在が最大の理由で
す。うちの店は借金ゼロ、人件費ゼロ、店賃ゼロ、経費極少で、わずかなが
らも黒字を維持しています。したがって、経営不振で廃業するわけではあり
ません。(※以下略)
続きは三月書房のサイトの「販売速報(仮題)」のページでお読みください。
2020年01月11日
「山田稔自選集 2」本日入荷
「山田稔自選集 2」
四六判上製312頁 定価2300円+税 編集工房ノア
「山田稔自選集 2」が入荷しました。1巻が昨年7月でしたから、ちょうと半年後と予告通りの間隔なので、3巻はおそらく今年の7月の予定でしょう。
*帯の文
山田稔が固有名であると同時に、
ひとつの文学ジャンルであることは、
もはや疑いようがない。
堀江敏幸
*目次
富来(イ)
別れの手続き(ロ)
詩人の贈物(ハ)
八十二歳のガールフレンド(ハ)
志津(ヘ)
*
松川へ(イ)
楽しき逸脱━桑原武夫(ト)
慈父のように(ヘ)
伊吹さん(ニ)
生島遼一のスティル(ニ)
「どくだみの花」のことなど(ホ)
表札(ヘ)
*
天野さんの傘(ニ)
ニーノさん(イ)
ある冬の夜のできごと━坂本一亀(ハ)
古希の気分━松尾尊允(ニ)
裸の少年(ニ)
*
神泉苑(ハ)
転々多田道太郎(イ)
※(イ)「マビヨン通りの店」所収
(ロ)「特別な一日」所収
(ハ)「八十二歳のガールフレンド」所収
(ニ)「天野さんの傘」所収
(ホ)「こないだ」所収
(ヘ)「生の傾き」所収
(ト)「影とささやき」所収
この巻には単行本未収録のは一篇もありませんでした。各篇の初出は表示されていますが、どの単行本に収録されているのかは記されていないので、(イ)〜(ト)で表示しておきます。この7冊はすべて編集工房ノアの刊行で、「生の傾き」のみ版元品切れ中です。よーするにちょっと残念なことに、とりたてて珍しいものはありません。今回もあとがき等がありませんのでよくはわかりませんが、タイトルが少し変更になっているのが数篇あるようです。本文の改稿があるのかどうかも不明です。
通販のお申し込みは、三月書房のサイトの「編集工房ノアの本の在庫」のページからメールでどうぞ。
2019年12月20日
「ザ・うらたじゅん 全マンガ全一冊」
今年の2月7日に急逝されたうらたじゅんさんの全漫画全1冊。この予告を見たときは、詰め込み過ぎて読みにくいのではと危惧していましたが、予想よりもはるかに読みやすい本になっていました。横開き1頁に原画2頁分で、よーするに文庫2頁分を1頁にまとめたようなサイズですが、菊判はA5判よりやや大きいのでA6判の文庫版2頁よりもややゆとりが感じられます。分厚い割には手に持ちやすく、綴じがきつくないので十分に開くため、ノドの部分も読みにくくありません。これで製本がしっかりしていて耐久力があればよいのですが、そこのところはすぐには判断できません。
この本のやや残念なところは、各作品の掲載誌や発行日が註記されていないことです。例えば、つげ義春さんが絶賛したという「うわばみのおキヨ」は『アナキズム』誌の六号(2005・06)が初出であるというような情報の一覧表が欲しいところでした。
うらたさんには面識がありませんが、ご自身のブログによれば、ときどき三月書房にご来店いただいていたようです。何かを購入されたかどうかはわかりませんが、ご自分の本が在庫されているかどうかをチェックされているようでした。「私の知る範囲では、拙著が常にある本屋さんは京都の三月書房とここだけです(もし他にもあれば、ごめんなさい)」[うらたじゅんの道草日記 2009年 01月 26日]
この本は分厚くて通販だとレターパックで520円もかかりますから、なるべく書店の店頭でお求めください。全国どこの書店でも仕入れは可能です。