2013年12月11日

「柳瀬正夢全集 第1巻」入荷しました

yanase.JPG 「柳瀬正夢全集 第1巻」三人社

2013年10月12日にお知らせした「柳瀬正夢全集」の第1巻が入荷しました。この巻は「大正アヴァンギャルド運動・漫画家としての出発点(1916-1927)」で、A5判、カバー装、596頁で定価15000円+税也。早い話がハリーポッター・シリーズと同じようなサイズです。
内容は、0/口絵、1/詩、2/散文・翻訳、3/漫画、4/雑誌装幀、5/単行本装幀、6/はがき、となってます。この巻のメインは全体の半分以上を占めている漫画でしょう。これらはすべて1コマもので、それぞれにタイトルと掲載誌が記されています。雑誌と単行本の装幀もかなり多く、1頁に1点の書影とタイトルが記されています。なかなか面白そうな書名もあるのですが、なにしろ解説がまったくないので詳しいことはわかりません。凡例は1頁ありますが、解説解題の類はすべて別巻にまとめて収録されています。よーするに、各巻分売ですが、結局のところは全巻揃えないと十分には楽しめないようです。
詳しいことは発行所のサイトにアップされつつありますので、そちらをごらんください。このサイトによれば、今日現在、この本を販売している書店は三月書房だけのようです。この本に限り送料無料で通販いたします。お申し込みは三月書房のサイトからメールでどうぞ。ご来店者には、A4判6面の内容見本も配布しております。なお、この内容見本は発行所のサイトでも公開されています。

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2013年11月28日

本日発売「グだくさんのグ!! 」

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グレゴリ青山「グだくさんのグ!!」定価1000円+税 メディアファクトリー

グレゴリせんせの新刊、「グだくさんのグ!! どうでもいいこだわりに溢れた人生の断片コミックエッセイ」が入荷しました。この本の三分の一くらいは、新ネタのフィギュアスケートものですが、残念ながらいまいち面白くありません。これは小生がほとんどフィギュアスケートに興味がないためであろうとは思いますが、“どうでもいいこだわりに溢れた人生の断片”というよりも、人気競技の観戦にただただ欣喜雀躍しているだけで、グ氏の持ち味がほとんど発揮されていないように感じました。ただしフィギュアスケート界を題材にしたエッセイ漫画は競合作品がほぼ皆無らしくて、ファンの間では絶大な人気を獲得しつつあるそうなので、それはそれでたいへんけっこうなことですが…。
残りの三分の二は「季刊レポ」ほかさまざまなメディアに発表された、まさに“どうでもいいこだわりに溢れた人生の断片コミックエッセイ”ばかりで、これらはどれもまことにけっこうな面白さです。今回は小生が2篇に各1コマづつ登場しているのもうれしい限りで、とくに、1篇目で「へ」と言ってるところがなかなかです。ただし名前や店名が明かされているわけではありませんから、あくまでも<それらしき人物>にすぎませんが。
グレゴリせんせの本はちくま文庫の売れ行きもよく、今後ますます売れるであろうと期待していますが、まことに残念なことに品切れで重版の予定のないらしい本がどんどん増えつつあります。とくにメディアファクトリーの本にその傾向が激しく見られますので、この本も売り切れないうちにお早めにお買い上げください。
※三月書房のサイトの「グレゴリ青山の本」の在庫ページ

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2013年11月10日

カレンダー「女の暦 2014」

「他店ではあまり見かけない本」入荷案内

「女の暦●2014 姉妹たちよ」
「女の暦●2014 姉妹たちよ」定価1600円 女の暦編集室(発売・ジョジョ企画)

うちの店では例年「アナキズム・カレンダー」と平凡社の「白川静漢字暦」くらいしか、カレンダーの販売はしていないのですが、「アナキズム・カレンダー」と似たような編集方針だと売り込まれたので、今年はこの「女の暦」も扱ってみることになりました。発行所の説明文によると、「『女の暦・姉妹たちよ』は、先駆的な女性やフェミニストたちに毎月一人ずつ出会えるカレンダーです。女から女へ、伝えていきたい彼女たちの生き様を、写真と日本語と英語の文章で紹介しています」ということで、いわゆる「運動家」とか「活動家」と呼ばれるひとたちばかりが取り上げられているわけではありません。1987年以来の登場人物を見ると、平塚らいてふ、与謝野晶子からはじまって、尾崎翠、林芙美子、齋藤史、淡谷のり子、上村松園、向田邦子、李麗仙、ヨネヤマママコ、松旭齋天勝、ゴーマン・美智子、浅川マキ、穐吉敏子、などけっこう幅広く選ばれているようです。もちろんぜんぜん知らない名前も少なくありませんが、わかる範囲では漫画家がゼロのようです。次回にはぜひ西原理恵子センセをよろしく。上の画像(クリックで拡大)は2014年のメンバーで、金子文子ほか10名と2団体が選ばれてます。中では、一昨年出た佐宮圭の「さわり」を読むまで女性だとはまったく知らなかった、鶴田錦史が選ばれているのがなかなかけっこうでした。
サイズはおよそ縦横27センチ程度のサイズで、それを縦に開いて上段が毎月一人の人物紹介、下段がカレンダーとなってます。通販の送料は100円。お申し込みは三月書房のサイトの「他店ではあまり見かけない本」のページからメールでどうぞ。

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2013年11月09日

「アスタルテ書房」その後、ちくま文庫「ブンブン堂のグレちゃん」

bunbundo.jpg 「ブンブン堂のグレちゃん」ちくま文庫

アスタルテ書房の最新情報です。
店主の体調不良により8月末から休業中のアスタルテさんについて、このブログの2013年09月06日にて、「2ヵ月後の再開を予定されているそうです」と書きました。ぼちぼち、その2ヵ月が過ぎましたので、親しくされているエディション・イレーヌ氏に問い合わせてみたところ、まだ入院されているとのことでした。近日退院される予定ですが、リハビリ期間も必要なので、営業再開の日取りは未定だそうです。

ちくま文庫にて再刊された「ブンブン堂のグレちゃん:大阪古本屋バイト日記」には、生田耕作氏は出てきますが、アスタルテ書房は出てこないようです(なぜか、古本屋でもなく大阪でもない三月書房は出てきます)。この元版はイーストプレスから2007年に出ていましたが、ここ1年ほど品切れ状態で、たぶんこのまま絶版になるでしょう。漫画本の文庫化は紙面が縮小されてやや読みづらいのが残念ですが、新たな附録多数の上に、文庫版あとがき漫画「その後の大阪の古本屋さん」も附いていますから、元版を持っていても買い足す値打ちがあるでしょう。このあとがき漫画にはあのラタラタ書店のおばさんのその後が載っていないのがちょっと残念ですが。なお、グレゴリせんせの本は可能な限り揃えておりますが、品切れ状態の本が増えつつありますのでお早めにどうぞ。
※三月書房のサイトの「グレゴリ青山の本」の在庫ページ

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2013年11月05日

「ぽかん3号」附録2冊附き

「他店ではあまり見かけない本」入荷案内

pokan3.jpeg 「ぽかん 03」900円 ぽかん編集室

「ぽかん」の3号が入荷しました。2号は2011年11月の発行でしたから、まる2年ぶりです。今回は本誌のほかに附録が2種もついています。このサイズがばらばらで、附録の「ぼくの百」がA4判、「のんしゃらん通信」がほぼA5判で本誌はそれよりも横幅が5pほど小さいほぼ正方形です。ページ数はどれもたいしたことなくて、本誌が48頁、附録の「ぼくの百」はA4判16頁ですが、A全判両面カラー印刷を折りたたんだもの、そして、「のんしゃらん通信」はA5判8頁です。この3冊をA5判の透明袋に詰め合わせてありますが、900円はなかなかお買い得でしょう。

目次
名付け親になる話 山田稔
多喜さん漫筆 (三)――色恋の談義 外村彰
小樽余市訪問記――左川ちかのこと 中野もえぎ
天童のゐる五分間写生 澤村潤一郎
『わが青春の詩人たち』 真治彩
サウダージ 福田 和美
千代田区猿楽町1-2-4(其の1) 内堀弘

pokan3.2.jpeg 「ぽかん」附録・ぼくの百 秋葉直哉

pokan3.1.jpeg 「ぽかん」附録・「のんしゃらん通信」vol.1

目次
窓口をめぐりたどりつく先は 郷田貴子
折々ありぬ 藤田祐介
夏のお姉さん 近代ナリコ
子どもは判ってくれない 中山亜弓
インテリア・エクステリア 能邨陽子
お濠を眺めて、紅茶を飲む 藤田加奈子

「ぽかん」1号(2010年11月)は定価850円、2号(2011年11月)は定価1000円。どちらの在庫もございます。この2冊には附録はついてません。1号から3号までの通販送料は1冊でも3冊でも100円です。お申し込みは三月書房のサイトの「他店ではあまり見かけない本」のページからメールでお申し込みください。

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2013年10月28日

「吉本隆明全集」の内容見本

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3月の予告以降、半年以上進展のなかった晶文社の「吉本隆明全集」ですが、やっとその詳細が発表になりました。今日届いた内容見本によれば、全38巻・別巻1と予告よりは3冊減りましたが、各巻6000円(平均)+税とけっこうな価格です。各巻はほぼ年代順の編集で、「書かれたすべての著作を断簡零墨にいたるまで収録し、重要な講演、インタビュー、談話などのいくらかを補った」そうです。たしかに、あの大量の講演、対談、インタビューのすべてを網羅すれば、おそらく100巻位にはなりそうなので、この編集方針は妥当なところでしょう。
さてこの全集が売れるのかどうかですが、一番の問題は、全39冊の完結までにいったい何年かかるのかという点です。この内容見本によれば、最初の4冊は3月に1冊の配本で、5冊目以降は隔月刊の予定となっています。この予定通りだと7年足らずで完結することになりますが、全集というものは過去の景気のよかった時代ですら、いろいろな理由で大幅に遅れることが普通でした。正確なデータはありませんが、うちの店の〈吉本〉本の購読者の平均年齢は、うんと控えめにみても60歳は超えておられるでしょう。その方々が10年近くはかかるであろう全集を予約することをためらわれても不思議ありません。たとえ天変地異や福島原発の崩壊がないとしても、消費税増税やデフレやハイパーインフレの危惧もあって、年金生活者の方々の懐具合もあまりゆとりがなさそうです。それに出版業界の景気は最悪で、これからよくなる見込みもほとんどありませんから、はたして無事に完結できるかどうか、そして、それまでうちの店も無事かどうかはまったくわかりません。もうひとつ問題なのが、全集だからといって、またもや「宮沢賢治」「柳田国男」「親鸞」 「詩集」「共同幻想論」等々、何度も何度も出版されて、文庫にもなっているものを買わねばならないのもややうんざりでしょう。もちろん各巻には単行本未収録の文も収録されますが、これらの大部分は既に猫々堂の「吉本隆明資料集(既刊129冊)」に収録済みと思われます。全集の出版そのものは故人の生前からの希望であり、10年以上も前からうわさには上がっていましたが、もろもろの事情によって実現にいたりませんでした。10年前なら読者の大部分もまだ現役だったので全巻予約を募集するもの簡単だったでしょうが、今回のが採算ラインを超える予約を無事に集めることができるかどうか、ちょっと心配です。

なお、この内容見本は晶文社のサイトにて全16頁が公開されています

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2013年10月21日

平凡社が「千本組始末記」を復刊

「千本組始末記」 
柏木隆法「千本組始末記 アナキストやくざ 笹井末三郎の映画渡世

1992年に海燕書房から刊行された柏木隆法著「千本組始末記」は絶版になって久しく、古書価も「日本の古本屋」やアマゾン・マーケットプレイスでは17000円以上になっています(2013年10月21日現在)。海燕書房は「日本無政府共産党」の著書もある関西系アナキストの相沢尚夫が社長で、アナキズム関係の本などを何冊か出していましたが、さほど活発な出版活動をしていたとは言い難いまま、知らない間に消息不明となっていました。新版のあとがきによると、社長と編集長があいついで亡くなったために、潰れてしまったそうです(おそらく1990年代前半に)。海燕書房版が手元にないので確実ではありませんが、今回の平凡社版の副題「アナキストやくざ 笹井末三郎の映画渡世」は元版にはなかったようです。千本というのは京都市内の地名ですが、千本組といわれても何のことかわかりにくいので、このほうがいろいろ有効でしょう。新版には著者の追記とあとがき、そして礫川全次氏の解説が附されています。詳細な索引もありますが、これは元版にもあったのかどうかわかりません。そして、印刷も造本も元版よりよくなったのに、定価は少し安く(本体価格4200円から3800円)なっています。しかし、初版部数はさほど多くなく、重版もなかなかむつかしいでしょうから、購入はお早めにどうぞ。
内容の面白さについては、千本組誕生/川崎・三菱両造船所大争議/大杉栄と「血桜団」/ギロチン社事件/大堰川の決闘/日活撮影所時代/宮嶋資夫出家の波紋/マキノトーキーの興亡/長二郎遭難/千本組分解/岡本潤追放、と続く目次の一部を見ただけでも想像できるでしょう。寺島珠雄の「南天堂:松岡虎王麿の大正・昭和」そして、竹中労の「黒旗水滸伝」とぜひ合わせてお読みください(ついでに村上もとかの「龍(ロン)も)。

これらの本の通販のお申し込みは三月書房のサイトの“「南天堂」関係者”のページからメールでどうぞ。

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2013年10月12日

「柳瀬正夢全集」12月刊行予定

「柳瀬正夢全集」 (※この図はクリックすると拡大します)
「柳瀬正夢全集」全4巻+別巻 三人社

京都の三人社から12月に出る予定の「柳瀬正夢全集」は、予価が各巻15000円、半年に1冊の配本予定です。この出版社は出版取次と取引がないために、ごく一部の書店でしか販売されそうにありません。三月書房では、売れるかどうかはわかりませんが、とにかく店頭に並べてみる予定です。Amazonでもいまのところ販売の予定はないそうですから通販のお申し込みもどうぞ。この本に限り送料無料です。

柳瀬正夢(1900-1945)については、アナーキズムやダダイズムの影響を受けた前衛芸術グループ「マヴォ」の結成に尾形亀之助らと参加し、その後“ボル”派のプロレタリア芸術運動家になった画家だという程度のことしか知りません。過去に 柳瀬正夢画集 (1964年)や展覧会の図録類、そして井出 孫六による評伝「ねじ釘の如く―画家・柳瀬正夢の軌跡」など関係書は何冊か出ていますが、漫画・挿絵・装丁・ポスター・詩・俳句などほぼすべてを時代順に収録した全集はこれが初めてでしょう。
12月に刊行予定の第1巻は「大正アヴァンギャルド運動・漫画家としての出発点(1916-1927)」で、A5判/上製/約500頁、予価15000円+税。ちょうどこの時期のことは寺島珠雄の「南天堂」が詳しく、柳瀬正夢の名も索引によれば8箇所に出てきます。やはり同じ時代を扱った竹中労・かわぐちかいじ「黒旗水滸伝」の本文には見あたらないような感じですが、栗原幸夫の解説文の中に1箇所出てきます。2巻のプロレタリア芸術運動以降のことは、アカハタのサイトにて反戦漫画家として“殿堂入り”しているようなのでそちらで見てください。

通販のお申し込みは三月書房のサイトの“「南天堂」関係者”のページからメールでどうぞ。

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2013年09月26日

謄写技法 第七号「ぐろりあ工房・丹羽善次の一九三〇年代」

「他店ではあまり見かけない本」入荷案内

謄写技法 第七号
  謄写技法 第七号「ぐろりあ工房・丹羽善次の一九三〇年代」
   貼函入(97mm×71mm×13mm)/本文94頁 限定百部・番号入り
   頒価1500円+税 印刷・発行 坂本秀童子

徳島県海部郡の離島、牟岐島の謄写版印刷屋さんの「謄写技法」の取り扱いを始めました。この第七号は豆本仕立てで限定百部となっていますが、ハードカバーの上製本で、本文は謄写版印刷ですから、まともなコスト計算をすれば、少なくとも一万円はつけないと採算がとれないでしょう。この号の内容については林sumus氏のブログに詳しいのでそちらをお読みください。

「謄写技法」は1999年の創刊以来、別輯1冊を含む9冊が刊行されていますが、現在、三月書房で販売しているのは、最新号の7号の他は6号(頒価1200円+税)と別輯の「ガリ版刷春本編」(頒価4000円+税)のみです。この「春本」についてはこのブログの2006年05月21日に詳しい記事を載せました。6号はほぼB6判の和本仕立てで、特集記事はなく“菅原克己のガリ版”“金農「昔邪之盧詩」をガリ版す”ほかの通常号です。その他の号については萩書房さんのサイトをごらんください。最新号は三月書房と萩書房のほかタコシェ、ロバの本、トンカ書店、海月文庫でも販売しているそうです。

「謄写技法」の通販は「他店ではではあまり見かけない本」の頁からどうぞ

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2013年09月06日

「アスタルテ書房」最新情報とエディション・イレーヌの新刊

「塔のなかの井戸」 
「塔のなかの井戸〜夢のかけら」エディション・イレーヌ

アスタルテ書房さんは現在休業中で11月上旬に再開の予定とのことです。

アスタルテの閉店情報を最初にネットに流したのは、パルナ書房氏の8月26日のツイッターだったようです。「〈謹告〉この度 店主長期療養の為、近々アスタルテ書房は閉店することになりました」という手書き告知の写真もアップされていました。こんな謹告を見たら誰でもそう遠くない時期に閉店してしまうのだろうと考えるのがふつうでしょう。ところがそれを見た林sumus氏が翌27日にアスタルテ氏に直接確かめに行かれたところ、「ドクターストップがかからない限り五年でも十年でもやるつもりですよ」との返答だったので、「アスタルテ書房、健在なり」とのブログをアップされました。この日も〈謹告〉は掲示されたままだったそうですから、ややちぐはぐな感がありますが、とにかく急な閉店はないのだろうということはわかりました。
ところが、きょう納品のために来店されたエディション・イレーヌ氏の話によれば、アスタルテ氏は一昨日深夜自宅で倒れられて、救急車で緊急入院されたとのこと。しばらく療養が必要とのことで、いまのところ2ヵ月後の再開を予定されているそうです。アスタルテ書房にはサイトもブログもないので、とりあえずうちのブログでも休業の告知をしてあげてほしいとイレーヌ氏に頼まれました。また再開予定等がわかればお知らせします。
ちかごろでこそ京都の本屋特集などでは恵文社とガケ書房ばかりが目立ちますが、90年代から00年代にかけて、その手の記事のメインはたいがい写真うつりのよいアスタルテ書房でした。閉店されてしまうと、それでなくとも一昔前の半分以下の店数になってしまった河原町三条・四条周辺の書店業界がますます寂れてしまうので、なんとか元気になってあと10年ほどは続けていただきたいものです。

上の書影は、きょう入荷したばかりのエディション・イレーヌの新刊本です。

  ラドヴァン・イヴシック&トワイヤン詩画集『塔のなかの井戸〜夢のかけら』
  アンドレ・ブルトン「トワイヤンの作品への序」
  付録/詩画集編+資料編2冊組本 松本完治 訳・編著
  B5変形函入カバー付美装本 造本・アトリエ空中線 間奈美子
     定価4,500円+税 エディション・イレーヌ
エディション・イレーヌの本は特装本を除いて、仕入可能なのはすべて在庫しています。通販のお申し込みは、三月書房のサイトの「他店ではあまり見かけない本」のページからどうぞ。

アスタルテ書房についての過去記事
 *2006年09月23日 「アスタルテ書房」の池田屋ビル遺跡
 *2006年09月26日 某ハイツの2階「アスタルテ書房」

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2013年07月23日

「本屋図鑑」、「離島の本屋」

honyazukan.jpg 「本屋図鑑」定価1700円+税 夏葉社

十年くらい前から、書店特集の雑誌や本が目立って多くなりましたが、今年はそれがますます多くなりつつあるようです。この「書店図鑑」の書影を無断で拝借した往来堂さんのブログによれば、“サブカル方面の話だったか、なかったか、記憶は定かではないのですが、それについての評論が出るということはそのジャンルはそろそろおしまい、というジンクス?のようなものがあるらしい”とのことなので、いよいよ書店もおしまいということなのかもしれません。ただ、雑誌の特集にしても、この「図鑑」にしても評論ではなくて、案内・紹介・感想ですから、その意味ではまだしばらく大丈夫かもしれませんが。
この本は、共同執筆者の一人である空犬太郎氏のブログよると“『本屋図鑑』では、よく取り上げられるそうした有名店だけではなく、「町の本屋さん」をたくさん取り上げています。この本の特徴の1つは、全国各地、それも、全都道府県から必ず最低1軒は取り上げるという方針で、日本全国の書店を取材していること。最終的に本で紹介するお店は80店ぐらいになりそうなんですが、そのすべてを夏葉社の島田さんがほぼ一人で実際に訪問して取材しています。資料のみ、電話やメールのみの取材は一切なし”とのことです。うちの店にもその島田氏が取材に来られて、【歌集棚】や吉本本の棚を紹介していただきました。写真をたくさん撮しておられましたが、この本では写真ではなくてすべて得地直美氏による鉛筆画に描き直されています。それが、まことにていねいな仕事で、書名も著者名もすべてでみごとに再現されています。なお、当店の吉本隆明棚が4本あるとなっていますが、これは4段の誤植です(※正誤表が挟み込まれていますが念のため)。

ritonohonnya.jpg 「離島の本屋」朴順梨 定価1600円+税 ころから

この本は副題に“22の島で「本屋」の灯りをともす人たち”とあるように、離島の本屋の探訪記です。一番近い島でも最低一泊、不便なところだとかなりの日数と交通費がかかるはずですが、著者ばかりではなくプロカメラマンも同行しての取材は、いまどき大手の出版社でもなかなかできない企画でしょう。それが、本屋大賞を応援するフリーペーパー「LOVE書店!」の連載ですから、その資金力にちょっと驚きます。ちなみにこのペーパーにはうちの店も載せていただいたような記憶がありますが、その時の記者が朴さんだったのかどうかは覚えておりません。
それにしても人口が少なく、しかも物流は離島料金という場所でよく本屋が成り立つものですが、それぞれいろいろな事情や工夫あってなんとかやっておられるようです。しかし、今回の書籍化にあたって、2013年現在の状況が追補されているのを読むと、残念ながら閉店された店も少なくないようです。先の「本屋図鑑」は昨年の11月から今年の4月までの取材ですから、さすがにどの書店も健在と思われますが、うちの店も含めていつまで続くことやら、先のことはまったくわかりません。下手したら3年で半減とかもありえるかも。
この本の版元“ころから”は今年開業したばかりのようですが、それにしてもなぜこんな不便な社名にされたのか理解できません。“ころから”で検索して一発で見付けてもらえると考えているのでしょうか?せめて“ころから書房”とかにしておけば少しはましだったでしょうに。ちなみに過去の出版社名では“EDI”も検索困難でした。「書店図鑑」の夏葉社は漢字で検索すると一発でみつかりますが、簡単な字面なのに“なつはしゃ”と読むのは簡単ではありません。“かようしゃ”とか“なつば”とか“なっぱ”とか迷うところです。まさか“かば”とはよまないでしょうが。

この2冊の本は三月書房でも販売しております。お問い合わせはサイトに貼り付けたメールでお願いします。

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2013年04月08日

「海鳴り」の25号が届きました

「海鳴り」の25号

編集工房ノアが年に1回発行しているPR誌「海鳴り」の25号が届きました。このところ5月か6月に出ることが多かったのですが、早くてけっこうなことです。この号は、昨年亡くなった杉山平一の特集のような感じで、追悼文のほか御本人の旧稿も載っています。山田稔氏の「ある文学事典のはなし」は、筑摩学芸文庫に昨年入った「西洋文学事典 」についてのエッセイですが、この文庫版はあまり売れた記憶がありません。この機会に少しは売れてくれるとよいのですが。その他の内容は表紙画像をクリックして、目次でお確かめください、
例によって表紙裏にノアの2012/6〜2013/6の刊行書一覧が掲載されていますが、詩集14冊、小説・エッセイ13冊の合計27冊は、昨年に比べて1冊の増です。しかし残念ながらこの中には山田稔本も天野忠本もなく、どの本もうちの店では仕入れたことすらない本ばかりでした。それでも昨年5月刊の「コーマルタン界隈」を筆頭に、旧刊本の売れ行きはたいへん好調でした。

「海鳴り 25」は、例年通り地べたの店またはネットにて、ノアの本及び関係ありそうな本を買っていただいた方に、「おまけ」として進呈しています。まことに申し訳ございませんが、「非売品」につきこれのみの通販はいたしかねますのでご了承ください。たくさんいただいていますから、例年同様のペースですと、およそ年末までは十分配布できるでしょう。なお、バックナンバーは全号残部なしです。

編集工房ノアの本の通販は、三月書房のサイトの「編集工房ノアの本の在庫」のページからどうぞ。

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2013年03月05日

高木護リバイバル?

「高木護短編集 川蝉」「高木護短編集 川蝉」定価1900円+税 脈発行所

出版業界的にみれば、高木護氏の全盛期は1970年代から1980年代にかけてだったたと言えるでしょう。未来社などから著書を次々に刊行し、辻潤の著作の編纂に尽力され、いずれもうちの店ではそれなりによく売れました。しかし、今世紀に入ってからその名を目にすることも次第に減り、まことに失礼ながら生死のほどもよく知らないというような状態となっていました。それが突然、沖縄の脈出版社がわずか数ヶ月の間に、特集雑誌、研究書、詩集の復刊と立て続けに刊行され、それぞれがうちの店ではなかなかの売れ行きを示しています。とはいえ、地方小出版センター扱いの少部数出版物ですから、全国的にはまだまだ微々たるものでしょう。この「川蝉」は1974年に風書房が限定250部で刊行した「幻の短編集」の復刊です。元のは定価3000円で当時としてはちょっとした豪華本だったようです。なお、「幻の」というのはややオーバーで、「日本の古本屋」のサイト目録だと20000円前後で複数出品されていますが、簡単に買える価格でないことはたしかです。

 「Myaku 14号」   「詩人 高木護―浮浪の昭和精神史」

左側の雑誌は「Myaku14号(2012年11月) 特集・きみは、詩人 高木護を知っているか」で、定価900円+税、脈発行所刊。主な内容は、澤宮優・内田聖子 対談「今、高木護を語る」、西谷晋「孤高でも虫けらでもなく」、岩本勇「特異な詩人、そして特異な作曲家」、蓮川博凡「ことばの森の余白」、青柳瑞穂「青年詩人・高木護」、久保田一「高木護さんと出会ったこと」、仲西徹「高木護さんの『宝物』」、中尾務「歩くひと宮本常一が、歩くひと高木護を見いだした」、比嘉加津夫「詩人高木護・雑感」、高木護年譜(作成・青柳瑞穂)、高木護著書一覧。とくに年譜と著書一覧は資料としてたいへん貴重でしょう。
右側の本は、青柳瑞穂著「詩人 高木護――浮浪の昭和精神史」定価1600円+税 脈発行所。帯に「22歳の女子学生が卒業論文に高木護を取り上げた」とありますように、故・青柳瑞穂(男性。1899年-1971年。仏文学者、詩人、美術評論家、骨董品収集・随筆でも著名)とはもちろん同名異人(しかも性別違い)です。発行所の宣伝文によれば、「詩人高木護の著書『放浪の唄』をもとに、この論考をまとめました。しかも、『放浪の唄』をベースに、さらに九州まで足を伸ばして多くの資料を踏査し、高木護の全生涯に向かっていったのです。論考に迫真力、説得性があるのはそのためだといえるでしょう。いわば、この一冊で高木護という詩人の生涯が分る、といえるほど見事なもの」だそうです。蛇足ながら、上に載せたこの本の書影をクリックして拡大すると、帯の「22歳の女子学生」の笑顔が拝見できますのでごらんください。それにしても、脈発行所さんはこのあたり意外と商売上手なところがあるようで、ちょっとうれしくなります。
この3冊の力で高木護がリバイバルし、新著がでたり、旧著が復刊されたり、あるいは講談社文芸文庫に入ったりすれば面白いのですが。

速報!「Myaku 16号 特集・今再び、高木護」入荷しました。詳しくは三月書房のサイトでごらんください。(2013・05・19補記)

これらの本の通販は「他店ではではあまり見かけない本」の頁からどうぞ

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2013年02月24日

「Myaku15号 特集・島尾敏雄と写真」

「他店ではあまり見かけない本」入荷案内

「Myaku15号 特集・島尾敏雄と写真」 
  「Myaku15号(季刊春号2013年2月) 特集・島尾敏雄と写真」
     A5判/138頁 定価1000円+税 比嘉加津夫・編集 脈発行所

脈発行所は30年近く前から那覇市で出版活動をされていたようですが、うちの店で販売するようになったのは、昨年5月に出た「Myaku12号」の吉本隆明追悼号からです。その号は地元以外で販売してる書店がうちだけだったらしくて、たいへんによく売れました。その年の秋に、地方小出版流通センターと取引を開始されたため、「Myaku14号」からは全国どこの書店でも入手可能になっています。
この「Myaku15号」は島尾敏雄が撮影した32枚の写真がメインで、島尾伸三氏による説明と解説付き。この写真については「Myaku 脈」ブログの2010年9月13日に詳しい記事が載っています。それから、“「富士正晴文学アルバム」と島尾敏雄”には富士正晴文学館所蔵の、島尾関係の写真が12枚掲載されています。その他詳細は「Myakuのブログ」をごらんください。なお、先のブログ「Myaku 脈」はパスワード紛失のため更新が中断してしまい、途中からこの「Myakuのブログ」に移行されていますのでご注意ください。

脈発行所の旧刊本の中から、島尾敏雄関係の本を選んで販売しています。いずれも在庫僅少です。
  ○比嘉加津夫「喩の水源:読書論ノート」(脈叢書1)
    1986年8月1日発行 B6判/348頁 定価1500円+税
   ○比嘉加津夫「島尾敏雄」(脈叢書4)
    1987年2月15日発行 B6判/271頁 定価2000円+税 
   ○比嘉加津夫「島尾敏雄ノート」(比嘉加津夫文庫14)
    1991年5月10日発行 B6判/238頁 定価1456円+税
   ○比嘉加津夫「書簡 島尾敏雄」(比嘉加津夫文庫15) 
      1991年5月25日発行 B6判/193頁 定価1456円+税
   ○「季刊 脈 第43号(1991,5) 特集・島尾敏雄」*註
     B5判/184頁 定価700円+税 
(*註。たいへんややこしいですが、「Myaku」と「脈」は別の雑誌で、それぞれ現在15号と76号まで出ています。)

これらの本の通販は「他店ではではあまり見かけない本」の頁からどうぞ

posted by 三月山 at 13:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 「本」とか「雑誌」とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月18日

『加藤一雄の小説』3月発売予定!「限定版」も刊行予定!!

2013年カレンダー「浄土の御構IV 初瀬詣」

今年も用美社さんがけっこうなカレンダー(「浄土の御構IV 初瀬詣」)を送ってくださいました。ここ数年いただいていますが、毎年この時期に悠々と届くのは、きっと丁寧な仕事をされているため、出来上がりが遅くなってしまうのでしょう。(もちろん4月始まりのではなく、ふつうに1月始まりのカレンダーです)。
それはともかく、同封いただいた案内によれば、ついにあの『加藤一雄の小説』が3月発売になるそうです。こちらはカレンダーをさらに何倍も上回る丁寧な仕事をされていますから、またまた、少し(あるいはもう少し)遅れるかもしれませんが、今度こそはどうやら確実そうな感じです。しかも、驚いたことに限定版の制作も予定されているとのこと。こちらは、普通版刊行に「続いて」とありますから、おそらく夏までには出るのではないでしょうか。
『加藤一雄の小説』の普通版は予定通り予価3000円+税。限定版は、戸田勝久氏の装丁装画、須川誠一氏の装本で50冊程度の販売予定、予価は5〜6万円。詳細は近日決定されますが、三月書房にも少しは回していただけるようなので、御希望の方はお早めにご予約ください。限定版のみ国内の送料は無料の予定です。
『加藤一雄の小説』は2006年10月に近刊予告をして以来、多くの皆さまからご予約をいただいております。しかし何分にも6年以上も経過しましたので、ご住所の変更等もあおありかもしれません。今一度ご確認のメールをいただけると助かります。また、限定版への乗り換えもお受けいたしますので、お早めにどうぞ。なお、限定版はお一人様1冊限りとさせていただきます。ご連絡は三月書房のサイトからメールにてどうぞ。

◎2013/02/24補記。
発行所からいただいたメールによると「限定本は七月発売となりました。限定本は製本作業ををお一人でなさるため、三ヶ月ほしいということによります。表紙裏表紙にオリジナル装画+版画一葉を付す、とてもいい本になると思います。」とのことです。

◎2013/03/04補記。
「普通本は3月末仕上がりとご予定ください」とのメールが届きました。

◎2013/04/10補記。
また少し遅れておりますが、いまのところ普通本はあと10日ほどで印刷に回せるとのことです。順調に行けば連休明けには入荷するのではないでしょうか。

◎2013/06/05補記。
今日、発行所から「今月下旬か7月初には出版します」とのメールが届きました。もうしばらくお待ちください。

 ○2012年02月04日「『加藤一雄の小説』は今年も出ないかも」
 ○2011年01月18日「『加藤一雄の小説』は今年も「近刊」のまま」
 ○2009年08月25日「『加藤一雄の小説』は年内にでるかも?」
 ○2009年02月09日「こんどこそ出る?「加藤一雄の小説」
 ○2007年11月17日「ついに出る?『加藤一雄の小説』」
 ○2006年10月26日「『加藤一雄の小説』近刊のお知らせ」

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2012年12月25日

「ジャズ批評 171号 特集 ローランド・カーク大全集」

41NHA0GF53L._SL500_AA300_.jpg 「Rahsaan Roland Kirk In Europe 1962-1967

日本ではローランド・カークはながらくゲテモノ扱いで、1980年代のLP末期からCD初期にかけて、やっと代表作の多くが入手可能になったような記憶があります。その頃の日本盤の解説をみても、あの三本同時奏法とか雑多な楽器については、詳しい説明がほとんどなくて、写真もごくわずかしかなかったので、どうしてあんな演奏ができるのかぜんぜんわかりませんでした。DVDが手軽に買えるようになって、一番うれしかったのがローランド・カークのマンゼロ、ストリッチ、テナー・サックスの三本同時演奏を見ることができたことでした(ちなみに、2番はチーフタンズ、3番がブライアン・ウイルソン・バンド)。このDVDでは1964年のミラノでの演奏が見応えがあり、グランド・ピアノの上に並べたホーン類や、首からぶら下げたホイッスル、サイレンなどを取っ替え引っ替えしつつの熱演が楽しめます。

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 「ジャズ批評 171号 特集 ローランド・カーク大全集

隔月刊になってからの「ジャズ批評」はいまいち読み応えのない特集が続いていましたが、この「ローランド・カーク大全集」は画期的なできばえで、永久保存する価値があります。現在、知られているほぼすべてのLP/CD/DVDがジャケット写真、曲名、共演者等のデータ附きで紹介されていますが、なんと言ってもすばらしいのが、カークの曲ごとの使用楽器がすべて記載されていることです。大部分のCDのライナーには使用楽器がいくつかあげられてはいるものの、省略されているものも多く、まして一曲ごとの使用状況などはほとんどわかりませんでした。本誌によれば、カークの使用楽器と鳴り物は70種もあるようですが、それらがどの盤のどの曲で使用されたかがわかるわけです。もっとも凡例によれば、実際にCD等で聴けるのは、声も入れて23種のようですが、ユーチューブで探せばその他を使用した演奏も見つかるかもしれません。

うちの店では、「ジャズ批評」のバックナンバーは季刊だったころの号のほうがいまでもよく売れますが、在庫のある号はかなり少なくなってきました。隔月刊のはあまり揃えておりませんが、季刊と別冊類は版元に在庫がある分に関してはほぼすべて揃えています。くわしくはこちらをごらんください。

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2012年11月30日

「サバト館」廃業のうわさについて

改訳決定版「マダム・エドワルダ」

結論から言いますと、サバト館は廃業されてはいない…はずです。

お客様から問い合わせがあって初めて知ったのですが、サバト館について「告知されてませんがサバト館は10月21日をもって廃業しました。以降新品在庫は流通しません(三月書房納品は続けると思いますが価格については未定)。興味のある方はお早めに問合せた方がよいと思います。」というツイートが流れています。うちの店の名前もあがっているのですが、サバト館からはまったく何も聞いておりません。
サバト館の本を全国の書店に流通させている、地方小出版流通センターに問い合わせたところ、契約を解除したのは事実だそうです。この件は出版業界には通知済みだそうですが、うちの店の情報感度が悪いのか、ぜんぜん知りませんでした。ネットで検索してみても、上記のツイートしか見つからないので、大部分の書店もまだ知らないか、興味がないかのどちらかでしょう。
サバト館は創業者の広政氏が数年前に亡くなられて以後は、神田の古書店臥遊堂さんが在庫管理をされています。うちの店はここから直接仕入れているのですが、取引は順調なので今後も販売を継続したいと考えております。販売価格はサバト館からの要望がない限りは定価のままです。在庫はどの本も僅少と思われますのでお買い求めはお早めにどうぞ。お問いあわせ、お買い上げは三月書房のサイトの「生田耕作とサバト館の本」のページからどうぞ。

今一度、確実にわかっていることだけをまとめておきますと、“サバト館は廃業されていないが、書店業界の一般流通からは外れた”ということのみです。新たな情報が入れば続報を追記します。

posted by 三月山 at 10:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 「本」とか「雑誌」とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月06日

「薔薇の回廊」「牛王9号」「中原中也研究17号」「余白の時間」

「他店ではあまり見かけない本」入荷案内

「薔薇の回廊」
 「薔薇の回廊」アンドレ・ピエール・マンディアルグ 
   松本完治・翻訳/山下洋子・挿絵 定価2200円+税 エディションイレーヌ

エディション・イレーヌの新刊はおよそ1年半ぶりです。B5変形判、ピンクの用紙に1段組46頁、挿絵5葉の、たいへん瀟洒な美装本(造本:アトリエ空中線・間奈美子)です。この「薔薇の回廊」は最後の短編集「薔薇の死儀」の一編で、版元の宣伝によると“谷崎潤一郎に捧げられた、マンディアルグの驚異の短篇小説が、山下陽子の挿画により、圧倒的な魅力で甦る!”とのこと。なお、この短編集は白水社から「薔薇の葬儀」(田中義広・訳)という書名で刊行されていましたが、現在は元版もUブックス版も品切れのようです。エディション・イレーヌの本は地方小出版流通センター扱いにて全国どこの書店でも販売可能のはずです。〈レア度★〉

「牛王Vol.9」 熊野大学文集「牛王(ごおう)GOOH Vol.9[2012]」 
      A5判/234頁 定価953円+税 発行・熊野JKプロジェクト

年に一回発行の「牛王」ですが、2012年発行の9号から三月書房でも販売することになりました。「熊野大学」は新宮市出身の中上健次が1990年に設立した文化組織で、この「牛王」はその参加者有志による文集です。この号は“特集1・東日本大震災・熊野12号台風被害をふりかえる/特集2・世界経済を斬る”となっています。くわしくは「牛王」のサイトでごらんください。取り扱い書店はまださほど多くないようです。〈レア度★★☆〉

「中原中也研究 17」
「中原中也研究」第17号 定価1905円+税
   「中原中也研究」編集委員会編 中原中也記念館

年に1回発行の「中原中也研究」第17号(2012年)の特集は“室生犀星と中原中也”。特集関係のシンポジウム、講演などのほか、中也に関する論考、エッセイ、資料等が掲載されています。ほかに、堀江敏幸氏による吉田秀和追悼が載っています。今のところ、バックナンバーもすべて揃っています。詳しくは中也記念館のサイトでどうぞ。この雑誌は扱っている書店がたいへん少ないようなので[レア度★★★]。

「余白の時間」
「余白の時間:辻征夫さんの思い出」八木幹夫 
  定価1000円+税 シマウマ書房

名古屋の古書店、シマウマ書房発行の新書判の小冊子で、全80頁、限定千部。内容は2010年にシマウマ書房にて行われた詩人の八木幹夫氏による「辻征夫さんの思い出」と題した講演の書籍化です。11月1日現在、全国16店の書店で販売されているそうですが、なぜか京都が5店と一番多いようです。[レア度★★☆]

これらの本の通販は「他店ではではあまり見かけない本」の頁からどうぞ

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2012年09月16日

「アナキズム・カレンダー2013」早くも入荷しました

「アナキズム・カレンダー2013」
 「アナキズム・カレンダー2013“大杉栄、伊藤野枝、橘宗一虐殺九十周年記念”」
   290mm×290mm/28頁 価格1,500円(税込)
     アナキズム文献センター 編集・発行

今年は驚くほど早く「アナキズムカレンダー」が入荷しました。昨年は11月28日、一昨年は12月7日、そして一昨々年は12月25日という遅さでしたから、今年の早さは画期的です。しかし、まだ彼岸前で秋という気分すらないのにカレンダーを売り始めるのはちょっと変な感じです。カレンダー業界のことはよく知りませんが、Amazonで検索してみたら、初音ミクもONE PIECEもAKBも何もかも、輸入物以外はすべて10月以降の発売開始のようでした。したがって、日本製のカレンダーで9月に買えるのはこれだけかもしれません。ちなみに、Amazonでは「アナキズム・カレンダー」は扱っていないようです。
今年のカレンダーは縦に開いて、上のページが文章で、下のページがカレンダーとなっています。曜日はエスペラント表記でSABATO(土曜)のみ青色、日曜も祝日も平日と同じ色なので、あまり実用向きではありません。各月の内容は下記の通りです。
 ▼1月「大杉逮捕と日仏連帯行動」(鎌田慧)
 ▼2月「青鞜の伊藤野枝」(森まゆみ)
 ▼3月「大杉栄と民衆芸術」(足立元)
 ▼4月「野枝と女性解放―現実と幻想の間」(グレープフルーツ)
 ▼5月「大杉榮と自由連合論」(飛矢崎雅也)
 ▼6月「野枝育ての親 代準介」(矢野寛治)
 ▼7月「大杉栄の「世界性」について」(高祖岩三郎)
 ▼8月「大杉栄とファーブル昆虫記」(小原秀雄)
 ▼9月「保存すること 保存しつづけること」(黒澤和子)
 ▼10月「エスペランチストとしての大杉栄」(藤巻謙一)
 ▼11月「フランスの大杉栄」(片倉悠輔)
 ▼12月「貫いた「生の闘争」」(大杉豊)

このカレンダーの通販は三月書房のサイトの「南天堂関係者の本」のページからどうぞ。送料80円です。

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2012年09月09日

「新装版 黒旗水滸伝」が早くも特価本に

「黒旗水滸伝1」
「[新装版]黒旗水滸伝 大正地獄篇」全4冊 定価各1200円+税 皓星社
 ※新本バーゲン60%引き。販売価格、揃い1920円+税(分売不可)

今春復刊したばかりの「黒旗水滸伝」(竹中労・著/かわぐちかいじ・画)が早くも特価本になってしまいました。2000年刊行の元版は上下本(定価合計5000円+税)でしたが、たいへんに売れ行きがよくて数年で売り切れました。新装版は4分冊で定価合計4800円+税と少し安価になりましたし、元版がアマゾン・マーケットプレイスで元定価以上であることを考えると、今回もある程度は売れるだろうと思っていました。それが、わずか数ヶ月で特価本になるようではよほど売れ行きが悪かったのでしょう。うちの店では先月までに3セット販売と、まずまずの成績でしたから、これからも在庫を切らさないようにする予定でした。うちは新刊屋ですが新本の特価本も扱っていますので、当然のことながら今後は特価本だけを販売することになります。裏表紙に「自由価格本」と印刷された特価シールが貼付してある以外は、定価本とまったく同じですから、これから買おうというお客にはたいへんお得です。
定価販売の再販本を特価本にするときには、二重価格にならないようにする業界ルールがあるはずなのですが、近ごろはかなりそのあたりがいいかげんになりつつあるようです。しかし、こんなに早く特価本になった本は記憶にありません。いかに売れ行きがよくなくても、カレンダーとか年度版とかでない限りは、少なくとも刊行から2年以上過ぎてから、きっちりと絶版にして特価本にしてほしいものです。

アナキズム関係の特価本
○「奥宮健之全集」(全2巻)阿部恒久・編 弘隆社 元定価15000円+税
 ※新本特価6000円+税
○「[縮刷版]週刊 平民新聞」近代史研究所 元定価15000円+税
 ※新本特価5000円+税
○「わが解説」秋山清 文治堂書店 元定価2800円+税
 ※新本特価1120円+税
○「風狂のひと辻潤」高野澄 人文書館 元定価3800円+税
 ※新本特価1520円+税
○「大杉栄訳 ファーブル昆虫記」明石書店 元定価6000円+税
 ※新本特価2400円+税
○「評伝 新居格」和巻耿介 文治堂書店 元定価1262円+税
 ※新本特価1631円+税
○その他は「『南天堂』」関係者等の本(附・アナキズムの本)」のページ、または「新本特価(自由価格本)」のページをごらんください。

posted by 三月山 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 「本」とか「雑誌」とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする