<天に唾する>京都の書店のうわさ 別冊043
二条通の鴨川と東大路通のほぼ中間地点に2店並んで古書店があります。蔵書一代の看板を掲げ、人文系の良質な本を整然と並べた「中井書房」と、本・雑誌・チラシ・ポスター・軸物などのほか、骨董品などもあってまことに混沌とした雰囲気の「水明洞」の2店です。「水明洞」のほうにはどういうわけか看板や店名札が見あたらないので、外から見ただけだと全部が「中井書房」に見えないこともありません。この2店は1995年ごろに前後して開店したようですが、どちらもなかなか個性豊かな古書店らしい古書店です。当時はこの2店の10軒ほど東に「奥書房」という新古兼業の美術書専門店もありましたが、こちらは20世紀末頃に移転してしまいました。せっかく3店も並んだのですから、もっと集まって古書街を形成してくれればよかったのに残念なことです。古書店というのは、2店並べは1店づつバラの時よりも、少なくとも何割かは来店者が増えるはずです。京都にはけっこうな古書店が数十店ほど健在ですが、残念ながらほとんどが散在しています。どこかに10店位まとまってあるとよいのにと以前から思っているのですが、もはやそんな時代ではないかもしれません。しかし、10店は無理としても、「水明洞」と「中井書房」の入っている建物にはもう1店「バッテリー」というゲーム屋がありますから、ここを何とか空けてもらって、どこかの古書店が移転されれば、3軒並んで繁昌するのではないでしょうか。

