大月健「イメージとしての唯一者」
四六判/253頁 定価2700円+税 白地社
*目次
辻潤覚え書き
更科源蔵論◎詩集『種薯』の世界
虚無思想雑誌探訪
尾形亀之助◎異稿をめぐって
イメージとしての唯一者
解説・粟島久憲
大月健年譜
栞(「遊びの名手」藤原辰史)
2014年に65歳で亡くなった大月健氏の文集が出ました。知っている限りでは彼の単行本はこれが初めてのはずです。「虚無思想研究」の創刊メンバーで「唯一者」の編集発行人。20代のころから最期まで、うちの店のお客兼卸元として通っていただきました。在りし日の大月氏の風貌は、グレゴリ青山さんの「ねうちもん京都」に描かれているように(※綴じに近い部分のためうまくスキャンできなかったので無断転載は断念)、年中薄着で、はだしに雪駄で色黒で、どことなく南洋系の雰囲気の人でした。本業は京大農学部図書室の職員で、「旧植民地関係資料」の整理とか、ちゃんとした仕事もされていたようですが、農学部のセンセが(研究用に?)醸造したどぶろくだか芋焼酎だかの試飲を、昼間から手伝っているというような気楽なはなしばかり聞かされてました。グレゴリさんのイラストでも、(たぶん勤務時間中に)農学部の畑からもらってきた(酒のつまみにするのであろう)落花生の袋を提げてます。あれだけ酒とタバコが好きだったら、食道ガンになってもしかたなかったかもしれませんが、それにしてももう少し長生きしてほしかった人でした。
この本の通販は三月書房のこちらのページからどうぞ。「唯一者」と「虚無思想研究」のバックナンバーも販売していますが、めったに補充が届かないので、現在は欠号ばかりです。
2016年03月13日
大月健「イメージとしての唯一者」
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