栗田出版販売の破産で、いよいよ出版流通業界はその全面崩壊まで、残すところあと首の皮一枚半というあたりまで来ています。うちは栗田とも大阪屋とも取引がないので、いまのところ直接的な影響はありませんが、栗田の民事再生の行方次第では出版社の連鎖倒産もありそうなので、この夏はいろいろうっとうしいことになりそうです。(※この栗田出版の件については、月曜社のブログをおすすめします)
あまりあてにはならない私見によれば、出版流通業界の崩壊にはかなりの耐性があると思われる編集工房ノアから、山田稔氏の待望の新刊が発売になりました。帯に「生島遼一、伊吹武彦、天野忠、富士正晴、松尾尊允、師と友。忘れ得ぬ人々、想い出の数々、ひとり残された私が、記憶の底を掘返している。自由なスタイルが、時代の杭ともなる、文の輝き。」とあります。
内容は既発表の六篇「生島遼一のスティル(a)」「長谷川さんの葉書(b)」「ある文学事典の話 黒田憲治(c)」「一本一合 北川荘平と『日本小説を読む会』(d)」「ある<アンダスン馬鹿>のこと(e)」「富士正晴という生き方(f)」と、2013年から2015年に書かれた未発表の五篇「伊吹さん」「天野さんの傘」「古稀の気分 松尾尊允」「裸の少年」「初心忘るべからず」です。装幀、林哲夫氏。
※(a)生島遼一「春夏秋冬」解説、(b)「ぽかん」4号、(c)「海鳴り」25号、(d)「VIKING」702号、(e)「海鳴り」26号、(f)2014年11月の講演に加筆。
この本の通販は、三月書房のサイトの「編集工房ノアの本の在庫」のページからどうぞ。送料等120円。いまなら「海鳴り 27号」のおまけ付きです。