2006年07月04日

1993年秋「河原町三条〜四条の書店地図」

<天に唾する>京都の書店のうわさ 資料編01

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「京都書店地図(テスト版) 河原町三条〜四条」1993年秋

[上篇 1993/10/10現在]
このあたりは有名な書店密集地帯だが、10年ほど前から店数はやや減少傾向である。
(☆1)「メディア・ショップ」。このあたりではもっとも新しい店のはずだが、開店してから10年以上になる。アート関係の和書のほか、アール・ヴィヴァンやWAVEのような洋書、絵葉書、CD、などを揃えている。京都には、西武百貨店もLOFTもパルコもないので、ここでしか売ってない商品も多いようである。
(☆2)「文祥堂書店」。間口2間ほどの独立店舗だったが、1年程前に南隣の文具店と共同で立派な商業ビルを建設された。ビルは立派だが、書店部分は階段を少し降りた半地階フロアの半分だけで、在庫は以前よりやや減ったみたいである。
(☆3)「大学堂書店」。古本屋らしい古本屋である。ここの均一台には時々面白いものがある。
(☆4)「駸々堂京宝店」。京都最初の大型書店として有名。数年前に改装され、その結果の売上がどうなったかは知らないが、いつも探書に利用させてもらっている観点から言えば、専門書は以前の方がよっぽど見やすかった。とくに、地方小出版センターのコーナーが廃止されたのが不便で仕方ない。
(☆5)「平安堂書店」。美術書専門店で古書も新本も扱う。見たところ、西洋物よりも、日本物や東洋物の方が専門のようである。
(A)地点は先日閉店した、「駸々堂河原町店」跡である。閉店前のこの店は手前半分が雑誌・新刊・文庫・学参を扱い、奥の部分がコミックコーナーだった。閉店後はこの「コミックランド」部分だけが、河原町三条上るの朝日会館2階に拡張移転した。結局、差し引きすると、普通の新刊書店が1軒減ったことになる。
(☆7)「京都府官報販売所/政府刊行物サービス・ステーション」。うちもしばしば卸してもらいに行くが、専門分野には飛び切り詳しくて、取り寄せも迅速確実でとても頼りになる店である。政府刊行物のほか、ぎょうせい、第一法規などの本も揃えている。
(☆8)「赤尾照文堂」。京都を代表する古書店の一つで、国文学関係や全集類を多く取り揃えているが、その全集類はかなり高いので有名である。
(☆10)「丸善京都支店」は来る11月15日に新築オ−プン予定。詳しくは、11月に閉店予定の(☆14)京都書院河原町店の件とともに「下」をお待ちください。
(☆11)「サワヤ書房」。ほとんど昔のままのスタイルの新刊書店で、昭和30年代の“サザエさん"に出てきそうな雰囲気がいい。
(☆12)「ミレー書房」。現在はどうか知らないが、もとは共産党直営のような書店だった。中を覗くと、今でも新日本出版社や青木文庫が多くあったが、驚いたことに店の半分位はアダルトビデオと写真集になっていた。そして、今ではこの界隈ではほとんど見かけない“絵本塔"が2本もあった。この変な組み合わせには、タフなプロ魂を感じる。

(☆[下篇 1993/11/30現在]
(10)「丸善・京都河原町店」。以前の建物は、まだまだ新しかったし、フロアの使い方もゆとりがあるように見えたので、なぜ新築しなくてはならないのかよくわからなかった。新店舗の地上8階地下1階の内、書店フロアはほぼ5階を占めていて、旧店舗に比べれば約2倍になった。エスカレーターも上下あり、全体の雰囲気はたいへん上等になった。当然のことながら商品構成も以前よりはよくなっている。とはいえ、和書売り場はあいかわらずものたりないとの評判がもっぱらで、“駸々堂もジュンク堂もほっとしただろう”と言われている。しかし、洋書、文具、ギャラリーなどを総合すれば、かなり魅力のある店である。あとは、洋書の値段がもう少し下がることと、ギヤラリーの企画次第というところではないか。
(☆13)「河原書房」。茶道関係の雑誌の版元も兼ねる、茶道、花道、謡曲などの専門店。
(14)は11月末に閉店した「京都書院ヴァージョンB」の跡地である。「ヴァージョンB」の社名で子会社になる前は「京都書院河原町店」であった。この店は1960年代に4階建のビルを新築した頃が全盛だったようである。雑誌や一般書ももちろん揃えていたが、美術関係書が中心で、輸入画集、美術ポスターなど、当時の京都では他店がほとんど扱ってない商品も多かった。「ぴあ」などなかったころから、プレイガイドを併設して映画や演劇のチケットを売っていたし、4階にはギャラリーもあり、さらには戦前からの古書籍商の看板もあり、最高の立地に自前のビルで言うことなしのはずだった。当時も「丸善」の方が大きかったが、外商に主力を注いでおられたためか、10時開店の5時半閉店、日祝日定休の上にスト休もありのまるでお役所みたいな店だったので、「京都書院」が実質的には地域一番店だったと言えるだろう。この度、閉店せねばならなくなったのは、河原町店の不振のためだけではなく、グループ全体の不振のためらしいが、河原町店自体は「駸々堂京宝店」の開店に食われ、「ジュンク堂」の開店が致命傷になったような感じである。大型店の開店で、中途半端な地位に転落したときに、全店を美術、映画、演劇、建築、写真、陶芸、書道、ファッションなどの芸術書専門書店にしてたら面白かったのではと思う。なお同社は堀川御池下るの本社ビル1階にて、美術書専門店を開く予定と聞く。
(☆15)「オーム社書店河原町店」。3階まで階段を昇ってみたが、丸善の後ではどのフロアも狭いと感じるばかりだった。「ブックストア 全ガイド:92年版」には売場面積100坪とあるが本当だろうか。
(☆17)「海南堂」。一見普通の小書店で雑誌と新刊書しかない中に、山の本が専門書も含めて10段ほどあるのが特色。
上の地図の範囲からは少し外れるが、近辺に次の2店がある。
(イ)「駸々堂三条店」。三条通木屋町東。雑誌、文庫、新刊など売れ筋専門の20坪の書店。三条京阪駅へ向かう人波でいつも混んでいる。
(ロ)「福音の家Kyoto」。新京極通六角西。この“書店地図(テスト版)"は今回で4回目だが、キリスト教関係の書店はこれで3軒目である。中へ入ってみる気が起こらないので、この3軒の宗派などはわかりません。


●2006年7月時点での註釈及び言い訳。
この「書店地図」はワープロ・コピーで出版業界に配布していた「三月書房販売情報(仮題)」の「8号(1993/10/25発行)」と「9号(1993/12/13発行)」掲載の記事をほぼそのまま複刻したものです。このブログに順次掲載中の2006年の現況と読み比べていただけば、その激変がおわかりいただけると思います。
なお、(6)が欠番になっているのは制作中に「駸々堂河原町店」が閉店したためです。(9)が抜けている理由はまったく思い出せません。京都書院は「上」で(14)、「下」で(B)地点となってましたが、今回は(14)で揃えました。(16)が抜けているのは、たぶん「高島屋京都店」の書籍売場のつもりで準備して忘れてしまったのでしょう。当時は京都書院がテナントに入ってました。現在は大垣書店。

posted by 三月山 at 18:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 京都の書店のうわさ 資料編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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