セミナーシリーズ 鶴見俊輔と囲んで(4)
「山田稔 何も起こらない小説」
定価700円+税 発行/編集グループSURE
2000年秋に出た「北園町九十三番地」が爆発的に売れて以来、うちの店では山田稔さんの本は地べたでもネットでも、文学書としては例外的な売れ行きを続けています。これは、地元の著者でもあり、他店ではうちの店ほどには揃えていないからだろうと思ってました。しかし、最近出たこのパンフを読んでみると、「時代が山田稔に近づきつつある」という文藝評論家の加藤典洋さんの説もあるとのことですから、これからさらに売れるようになることでしょう。ただし、世間でもよく売れ出すと、どこの店でも買えるようになってしまって、うちの店の売れ行きはかえって落ちてしまいますから、手放しでは喜べませんが。
このパンフでは山田氏が京大名誉教授を辞退されたいきさつが明かされています。あの「ダンディズム」の著者の生田耕作さんですら保持していた肩書きですから、まことにカッコイイ話です。もっとも生田氏の場合は、ぜひもらっていただきたいと言われたら喜んで断るが、そんなにくれたくないのなら意地でももらってやるというようなことだったような記憶がありますが、これはあまりたしかではありません。
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