“京都の三月書房、週休七日で開店? 発案は福岡伸一さん”
昨25日の昼頃、24日付けの「三月記」を読んだからということで、前回と同じ記者が取材に来られました。たまたま、そこに今回のシャッ
ターの画像処理担当された阿部氏も居合わされたので、とても充実した取材をしていただけたと安心していました。
「三月記」を読んだら、だまし絵の三月書房を発案したのは小生であり、福岡氏はそれに賛同してくださったのだということはわかるはず
です。ただし、こちらは絵の具か何かで描いてもらうつもりだったのを、デジタル写真でと提案されたのは福岡氏であり、途中経過を省けば〈誤報〉とまでは言えないかもしれませんが…。
このようなシャッター絵に作者も著作権もありませんし、しいて言うなら、元の写真撮影者と阿部氏と福岡氏と小生の共同制作ということ
になるでしょう。ただ、自分としては、このだまし絵を最初に思いついたのは自分だったということを、ちゃんと書いてほしかったのになと思っているだけです。
単に往時の風景を再現するだけなら、シャッター三枚全部にリアルな画像を張り付ければすむことですが、そんなことをしたら、24時間営業してるみたいになってしまいます。絵画風に画像処理したのを貼った両側のシャッター、そして真ん中のガラス戸2枚と自転車と看板は実物であり、それらを組み合わせたからこそ「だまし絵」になっているわけで、そのあたりを一生懸命説明したのに記事に生かされていないようで少し残念でした。よくはわかりませんが、字数とかいろいろ制約がおありなのでしょう。
2020年08月26日
朝日新聞の夕刊に記事が載りましたが、また〈誤報〉?
2020年08月24日
トロンプ・ルイユ三月書房
三月書房のシャッターにだまし絵(トロンプ・ルイユ)を貼りました。両側が数年前の写真を加工したもので、真ん中の戸2枚と自転車は実物です。ちょっと離れて見ると営業中のように見えなくもないけれど、近くに寄ってみると中には入れないという趣向です。
ご承知の通り、地べたの店は6月に閉店しましたが、シャッターを閉めたままだと景色が悪いし、シャッターそのものも薄汚れてかなり見苦しくなっていました。建物自体が昭和戦前の木造古家なので、いずれは改装、改築、新築、売却等なんらかの手を打つ必要があるのですが、それは
数年以上先のことになりそうなので、一時しのぎとして、何か絵でも描いてもらおうかと考えていました。さしあたっては近所の美術工芸高校と少し交流があるので、生徒さんたちに頼めば安くあがるのではと思ったりもしていました。
絵柄は花鳥風月とか名所風景とかのありきたりのはいやなので、だまし絵で、ほんとは閉まってるのだけれど、営業しているように見える 本屋の絵を描いてもらったら面白いのではと思いつきました。その場合、以前の三月書房風、あるいはパリかロンドンあたりの古い本屋風で、リアルよりは幻ぽいのがよいのではと考えたりしていました。
そこへ青山大学の福岡伸一教授から思いがけない提案が来ました。三月書房の看板をモノとして譲ってほしいとのこと。「動的書店」という書店を企画していて、そこのギャラリーに「ドリトル先生」の初版本、ダーウィンの原書などと一緒に展示したいとのこと。福岡センセは学生時代からのお客さんで、近年も雑誌のコラムなどで何度も三月書房のネタ記事を書いて宣伝してくださるごひいき様ですが、こんな物を所望されたのには驚きました。
それで、看板を譲るのはかまわないけれど、トロンプ絵の計画があり、その場合は看板を残しておく必要があるので、不要になるまで数年待っ
てほしいと返事しました。そしたら、「トロンプ・ルイユのアイデア、なかなか秀逸ですね。すばらしいと思います。予算がどれくらいかかるか、ちょっと見積もってみます。これを私どもファンで出します。」とのありがたいお申し出があり、あとはデジタル写真の入手から、デザインまで、あっという間に仕上げてくださいました。現場での貼り付け作業はこちらの町内の業者に依頼ました。こちらとしても全額負担していただくのは心苦しいので、もしも高校生に頼んだらこのぐらいだったかという程度の金額を負担しました。デザイン料がどの位かかったのかは聞いていませんが、京都でのプリント印刷と現場での貼り付け作業は十数万円でした。
うちの商店街は今世紀に入ってからはなかなか好調で、レベルの高いお店が次々に開店し、シャッター商店街とはほど遠い状況でしたが、コロ
ナ禍以降閉店が増えつつあります。コロナ恐慌はまだまだ収まりそうもないので、さらに閉店が増えるかもしれません。うちの店は2月の新聞
報道にもあったように、コロナとは無関係の閉店理由なのですが、世間ではコロナで潰れたと思ってる人たちも少なくないようです。そういう
誤解を解くためにも、先日の古本まつりや今回のだまし絵のような遊びをして、少しは“余裕”があるところを見せたほうがよいかもと思っています。
2020年08月08日
明日正午より「納涼“小”古本まつり@三月書房跡」
「萩書房とダンデライオンの納涼“小”古本まつり@三月書房跡」は予定通り明日正午に開場します。今日、両店の搬入が完了し、なかなか面白そうな本が並びました。壁沿いは三月書房の棚が残っていますが、真ん中の特設台が以前より低いので、店の雰囲気が少し明るくなりました。通路も補助台をとっぱらったので、少し広くなっています。今夜は家主の特権として、キディランドを借り切ったマイケル・ジャクソンのような気分で見物しています。個人的にはまったく興味がない法経書や仏教書などがほとんどないのがうれしい。まだ本屋根性が抜けてないので、ついつい棚の本を勝手に並べかえたりしてしてしまうのが何ですが。
其中堂、尚学堂、赤尾照文堂と三月書房跡の4か所を回る「寺町ふるほん“プチ”スタンプラリー」もあります。
また火曜か水曜にはグレゴリ青山センセのサイン本と手作りバッグも入荷するらしい。グレ印の手作りバッグは、6月に出た「グレさんぽ ~猫とかキモノとか京都とか~」収録の“強迫性ハギレ消化症候群”による制作物と思われます。