今年の2月7日に急逝されたうらたじゅんさんの全漫画全1冊。この予告を見たときは、詰め込み過ぎて読みにくいのではと危惧していましたが、予想よりもはるかに読みやすい本になっていました。横開き1頁に原画2頁分で、よーするに文庫2頁分を1頁にまとめたようなサイズですが、菊判はA5判よりやや大きいのでA6判の文庫版2頁よりもややゆとりが感じられます。分厚い割には手に持ちやすく、綴じがきつくないので十分に開くため、ノドの部分も読みにくくありません。これで製本がしっかりしていて耐久力があればよいのですが、そこのところはすぐには判断できません。
この本のやや残念なところは、各作品の掲載誌や発行日が註記されていないことです。例えば、つげ義春さんが絶賛したという「うわばみのおキヨ」は『アナキズム』誌の六号(2005・06)が初出であるというような情報の一覧表が欲しいところでした。
うらたさんには面識がありませんが、ご自身のブログによれば、ときどき三月書房にご来店いただいていたようです。何かを購入されたかどうかはわかりませんが、ご自分の本が在庫されているかどうかをチェックされているようでした。「私の知る範囲では、拙著が常にある本屋さんは京都の三月書房とここだけです(もし他にもあれば、ごめんなさい)」[うらたじゅんの道草日記 2009年 01月 26日]
この本は分厚くて通販だとレターパックで520円もかかりますから、なるべく書店の店頭でお求めください。全国どこの書店でも仕入れは可能です。
2019年12月20日
「ザ・うらたじゅん 全マンガ全一冊」
2019年12月16日
年末年始営業案内
12月30日(月)〜1月4日(土)は休みます
昨年までは年末の定休日は無休にしていましたが、さほど来店客も増えなかったので、今年は通常通り月曜と火曜は休みます。年末は30日がちょうど月曜日なので都合がよいのですが、1月は5日に開店したらすぐに次の6日からまた定休なので、いっそ5日も休んだほうがよいような気がしないでもないですが、それではあまりにあいそがないので営業します。
上の写真は店の表のシャッターで、マジックインキで営業時間等を記入してあります。ごらんのように、まことに雑な仕事で、正直キタナイです。ところがこれがよいとわざわざ紹介してくれた雑誌があります。今年の秋に出た「京都が京都である理由。 (別冊太陽スペシャル)"」ですが、「太陽」といえばもともとは写真雑誌だったのでカメラマンも上等の方が来られたのでしょう。このきたないシャッターが見事なカラー写真になって掲載されています。ちなみに上の写真は小生がスマホ撮りしたいいかげんなものですからお間違がえのないように。この写真の解説文(永江朗センセ)は“休むこと、マイペースが伝統を守ってきた。”という見出しで、末尾には“シャッターに直接書かれた営業案内が潔い”とあります。なんでもほめようがあるものですね。ここ20年ほど数えきれないほどの雑誌や新聞等にて、うちの店の紹介をしていただきましたが、これがいままでで一番気に入りました。とはいえ、京都特集も本屋特集も多すぎて、こんなものまで載せるようではぼちぼち種切れかもしれません。