比嘉加津夫・編集 A5判/166頁 定価1200円+税 脈発行所
*目次
特集 黒田喜夫と南島
田中眞人 老いの不可能性の飢えの渚から―黒田喜夫についての断章
松島 淨 黒田喜夫ノート
河津聖恵 夢の死を燃やす―「黒田喜夫と南島」序論
友常 勉 〈眼の畏怖〉
下平尾 直 運河沿いの「影」たち−黒田喜夫の「南島」前史
坂口 博 黒田喜夫と「民族詩人」
松岡祥男 黒田喜夫と吉本隆明 吉本隆明さんのこと(22)
新城兵一 黒田喜夫と清田政信―その交流の一断面
川満信一 黒田喜夫雑感
松原敏夫 歌の彼方から亡滅の呼び声へ―
黒田喜夫『一人の彼方へ』にふれながら
高橋秀明 黒田喜夫の反スターリニズムに関するノート
俳句 仲本彩泉 熟成する古木
詩 仲本 瑩 小さな村の黙劇譚/黒い牛の睫毛
小説 仲本 瑩 バラードの斧ひかりの檻(全100/66〜70)
伊良波盛男 池上一族のサニの秘密
鈴木次郎 走れメロスそれから
比嘉加津夫 英霊の聲が 平敷屋朝敏の謎(13)
論考 村上一郎 村上一郎の未発表日記と『試行』12
―1963(昭和38)年の日記(5)(佐伯修 編・註)
青柳瑞穂 戦争と「怠け」―徴兵忌避
怠けて生きたい私たち(19)
編集後記
表紙写真 黒田喜夫(提供・黒田憲一郎)
題字= 比嘉良治 本文カット= ヒガカツオ
1960年代には現代詩が今では想像もできないような人気がありました。当時の現代詩人の番付のようなものがあれば、黒田喜夫は30位にまでには入っていたことでしょう。1970年代半ばから、現代詩は急速に売れなくなり、1984年に死去した黒田の過去の著書も、ほぼすべて品切れ状態でした。そんなところへ、いかなる見込みがあったのか、2016年になって共和国が「燃えるキリン 黒田喜夫詩文撰」を出版し、さらには全集の刊行を告知しましたが、こちらは延び延びになっていてまだに出ていません。はたして刊行されるのか、そして、無事に全巻完結するのか、正直なところよくて五分五分程度のような気がします。ちなみに、上記の特集に寄稿している、下平尾氏が共和国の代表者です。
この雑誌はすぐに売り切れることが少なくありませんので、お買い求めはおはやめにどうぞ。
「脈」次号の特集は「葉室麟」で2019年11月刊行予定
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