2016年02月21日

「アルテリ」創刊号

artel’01.jpg(※この画像は長崎次郎書店さんのサイトから無断でいただきました) 

「アルテリ」創刊号(年2回刊行予定)
  A5判/136頁/オールカラー 定価900円+税 アルテリ編集室

 *目次の一部
   雑誌「アルテリ」刊行によせて  石牟礼道子
   激励  渡辺京二 
   詩経試訳  伊藤比呂美
   鬱どきのスケッチ  坂口恭平
   上田秋成「死者のゑがほ」口語訳  渡辺京二 
   石牟礼道子の歌  浪床敬子
   カナタバル奇譚  高山文彦
   くすの芽  石牟礼道子
   ほか

渡辺京二氏の発案で創刊された熊本の人たちの雑誌の創刊号が入荷しました。渡辺京二氏と石牟礼道子氏の雑誌といえば、1970年代から80年代にかけて発行されていた「暗河」を思い出しますが、「アルテリ」は「暗河」をややマイルド/ライトにしたような雰囲気です。「アルテリ」とは“職人の自主的な共同組織”という意味だそうです。事典によれば“チュルク語のortak(組合)起源ともイタリア語のartieri(職人たち)起源ともいわれ”るロシア語らしい。ちなみに「暗河」とは“地下水道”、とくに奄美では鍾乳洞の神聖な地下水のことらしいです。
本誌では伊藤比呂美氏と渡辺京二氏が古典の現代語訳を掲載されていますが、光文社文庫の古典新訳シリーズとか、河出書房の「日本文学全集」の古典現代訳とか、古典の読み直しが地味にブームなのかもしれません。本屋としても、一過性ですぐに忘れられる芥川賞なんかよりも、古典がじっくり売れる方がよほどありがたいような気がします。あるいは、こちらが伊藤氏や渡辺氏同様に年齢をとったせいかもしれませんが。
この雑誌の通販は三月書房のサイトの“他店ではあまりみかけない本”の頁からメールでどうぞ。通販送料等は1冊98円です。

[2016/04/16追記]
現在、「アルテリ」創刊号の在庫を切らせています。補充注文をした14日の夜に地震があり、発行所の橙書店様が被害に遭われたとのこと。16日の本震ではさらに大きな被害があったそうで、同店のブログによれば“復旧のめどはまったく立っておりません”とのことです。一日も早い復旧を願っておりますが、「アルテリ」の補充は当分入荷しそうにありません。

[2016/04/25追記]
本日「アルテリ」創刊号の追加が再入荷しました。橙書店様のブログによりますと、同店は22日から営業を再開されたそうですが、まだ余震もあってたいへんそうです。

posted by 三月山 at 11:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 「本」とか「雑誌」とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月17日

「脈 87号 特集・没後20年記念 谷川雁幻の論考・エッセイ拾遺」

myaku87.jpeg

「脈 87号 特集・没後20年記念 谷川雁幻の論考・エッセイ拾遺」
  比嘉加津夫・編集 A5判/218頁 定価1000円+税  脈発行所

*目次
  特集 没後20年記念谷川雁幻の論考・エッセイ拾遺
    松本輝夫 谷川雁幻の論考・エッセイ拾遺特集刊行にあたって(凡例も兼ねて)
    谷川雁 柳田國男と宮沢賢治(1990/08)
        国民文化とサークル(1958/10)
        筑豊に生きる(2)川筋けんか仕法(1963/10)
        五島玉之浦の聖夜(1963/12)
        「失読症」の渦巻から(1966/04)
        奇妙な試み(1966/11)
        高松次郎への「賛」(1980/02)
        生鮮食糧としての米を(1987/06)
        しらぬひの魚の歳時記断片(1987/07)
        歴史の骨格から発する微妙(1989/02)
        「浦上だからよかった」あるお婆さんの一言(1990/06)
        狩猟アーリア人の原記号(1990/10)
        酔悼・井上光晴(1992/09)
        「母音」叙情の水準点――安西均の苦い芳香を弔う1994/02)
        【特別協力】杉原茂雄への私信(直筆)(1985/03)
    松本輝夫 雁流「もう一つの日本」への精神下降の輝き――
        「現在の民俗学には闘うべき対象がある」(「柳田國男と宮沢賢治」) 
    金丸謙一郎 より詣でけり――谷川を求めて山までは見ず 
    谷川雁  埋もれた論考・対談等書誌一覧  
    仁衡琢磨 中間集会、水俣・松橋訪問記――雁、健一の足跡を訪ねて
    新城兵一 「雁研」への期待と可能性としての谷川雁

   俳句 仲本彩泉   地誌の迷宮(5)
   短歌 松島 浄   青大将
   詩  仲本 瑩   揺れる朝
      伊良波盛男  行く道
      波平幸有   いかりに留意せよ
      安里昌夫   暗い体験・儚い夢想
   掌篇 波平幸有   接吻
   小説 伊良波盛男  夜叉のごとく
      仲本瑩    バラードの斧 
      比嘉加津夫  愛と恋と――平敷屋朝敏の謎(3)
      東木武市   友達
   論考 深谷 考   野呂邦暢、風土へのヴィジョン
      松岡祥男   吉本隆明さんのこと(8)
      伊良波盛男  空海ノート
      比嘉加津夫  明治の文豪を訪ねる(中)
      崎原恒新   沖縄地方文学史(15)
   編集後記    

この号は谷川雁の単行本未収録作品の拾遺集がメインで、2段組42頁分。その部分の編纂と解説を担当されたのは、谷川雁研究会の代表で平凡社新書「谷川雁 永久工作者の言霊」の著者でもある松本輝夫氏。ちかごろこの「脈」は発行部数数百部のリトルマガジンとは思えない、充実した内容の号が続いています。この号も早々に売り切れることが予想されますのでお早めにお求めください。
なお次号は「村上一郎の未発表日記と『試行』(仮称)」で5月刊行予定。この特集は昨年末に発行された「飢餓陣営43号」の村上一郎特集の続編にあたるものです。
脈発行所の本の通販は三月書房のサイトの「脈発行所の本」のページからメールでどうぞ。「脈」と「myaku」のバックナンバーも少しあります。
谷川雁の本は三月書房のサイトの「谷川雁の本」のページをごらんください。他店ではほとんど扱っていない、谷川雁研究会の機関誌「雲よ−原点と越境−」も創刊号から揃っています

posted by 三月山 at 10:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 「本」とか「雑誌」とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月01日

「みすず」読書アンケート特集

645.jpg  「みすず no.645」2016年1・2月合併号 定価300円+税 

今年も「みすず」の読書アンケート特集が入荷しました。いつから始まったことかは知りませんが、何十年も前から、毎年最初の号は読書アンケートの特集で、この号だけはたいへんよく売れます。「図書」「ちくま」「波」「本」などと同様のPR雑誌ですが、定価が3倍位高く、大手書店の店頭での無料配布もほとんどないようです。うちの店では通常号は定期予約の方の分しか仕入れていませんが、この号だけは大量に仕入れて販売しています。他店ではあまり販売していないらしくて、毎年この号だけ買いに来店される方が少なくありません。通販もしないわけではありませんが、送料や送金手数料がかかるので、ご近所の書店に発注されることをおすすめします。
このアンケートは、一年間に「刊行された本」ではなくて、「読んだ本」を5点挙げることになってますが。字数の制限は無いみたいで、一人で1頁以上も書いてる人も少なくありません。回答者はみすず書房から著書や訳書を刊行している人を中心に数十名ですが、執筆者一覧は発行所のサイトでごらんください。
昨年7月に出た「天野さんの傘」(編集工房ノア)が、12月までで82冊も売れた大ベストセラー作家の山田稔氏が、北村順子というぜんぜん知らない作家の「晩夏に」(編集工房ノア)という本を挙げておられました。あまり仲間褒めとか義理褒めとかはなさらないはずと信用して1冊仕入れてみましたが、はたして売れるでしょうか?

posted by 三月山 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 「本」とか「雑誌」とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする