2015年08月29日

「丸善 京都本店」

<天に唾する>京都の書店のうわさ 別冊062

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8月21日オープンの京都BALの地下1階と2階に出店した「丸善京都本店」を軽く見学して来ました。地下1階が文具と雑誌、コミック、文庫、新書、文芸書など、地下2階がカフェと洋書、専門書など。同店の開業前の宣伝では“地区最大級のカフェ併設大型書店”とあったので、どんなに大きなカフェなのかと楽しみにしてましたが、ごく狭い店でした。“地区最大級”というのは“カフェ”ではなく“併設書店”のことのようです。いまどき書店では儲かりっこないので、どでかいカフェで稼ごうとしているのだとばっかり思ってたのでちょっとがっかりしました。品揃えについてはちょっと見ただけなのでよくわかりませんが、雰囲気はなかなか上等でした。界隈の文具店は、ここ10年ほどの間に、文滴堂、ワカバヤシ、壷中堂とすべて閉店してしまったので、丸善の文具売り場の復活はけっこうなことでしょう。ただし、丸善の閉店中にLOFTができたのでいまさらという感もありますが。以前のジュンク堂BAL店に比べると雑誌が少なくなっているような気がしますが、方針の違いなのか、あるいはここ数年で雑誌の売り上げが激しく落ちているからなのかは不明です。

先代のBALに比べるとビルの外観はやや安っぽくなったように思えますが、床面積が増え、テナントもいまのところはわりとちゃんと入っているようなので、河原町商店街の止めどない下流化にわずかながらも歯止めになるかもしれません。

posted by 三月山 at 11:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 京都の書店のうわさ 別冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月18日

「脈 85号」「安心貧乏生活」「草木と手仕事」

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比嘉加津夫・編集「脈 85号 特集・谷川健一と沖縄〜没後2周年にあたって」
  2015.08.20発行 A5判/178頁 定価1000円+税 脈発行所

85号は谷川健一の特集で松本輝夫「谷川雁と谷川健一(素描)」、金田久璋「谷川健一にとって沖縄問題とは何か」、正津勉「梟の導き――谷川健一歌考」ほか
次号は「車谷長吉 追悼特集」の予定だそうです。順調なら11月に出るはず。

脈発行所の本の通販は三月書房のサイトの「脈発行所の本」のページからメールでどうぞ。「脈」と「myaku」のバックナンバーも少しあります。

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『安心貧乏生活』瀧口夕美 四六判並製/128頁 1800円+税 編集グループSURE

発行所のサイトの宣伝文によると「ほどほど低収入の私が、こんな暮らしに不安を覚えず生きていくには、どんな心構えでいるのがいいんだろう?みずから安心を築いた、人生の先輩達に聞きました。−−−お金はないんですけど、どうしたら安心できますか?」
というようなことらしいです。答えているのは1948年生まれの印刷業の男性、1935年生まれの絵描きと1945年生まれの連れ合いのひと、そして1945年生まれの元大学教員。いずれも元べ平連とかヒッピーとかの経験者で、いわゆる高度成長期にそれなりに楽しい人生を送ったひとたちばかりのようです。よーするに、この本の想定読者は“ほどほどの低収入”がおありの方々であり、現在の“無縁社会”を生きる“ほどほどの低収入”すらおぼつかない“非正規労働者”や“漂流老人”のかたがたには、ほとんどなんの参考にもならないお話でしょう。
編集グループSUREの本の通販は三月書房のサイトの「編集グループSUREの本」のページからどうぞ。

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「草木と手仕事」石田紀佳(絵・ノラヤ) B6判/192頁 定価1500円 発行者・久島玲子
発行者の方に強くすすめられたので、よくわからないまま仕入れてみましたが、表紙は地味だし、棚に差してしまったら薄くてほとんど目立たないし、あまり類書もないしで、店のどこに並べればいいのかよくわかりませんでした。それで中途半端な場所に投げ出しておいたら、意外によく売れてます。手にとってぱらぱら見てみたら、好ましい本とわかるらしく、これは本自体にかなりの力があるからでしょう。全45項目の草木まつわる話とその草木の調理法あるいは利用法が載ってます。多くは食品関係ですが、シュロ、柿渋、漆、コウゾ、木綿、カラムシ、藍、杉葉香など非食用の工芸関係も少しあります。
この本の通販は三月書房のサイトの「他店ではあまり見かけない本」のページからどうぞ。

posted by 三月山 at 14:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 「本」とか「雑誌」とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月01日

お盆休みのお知らせ

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地べたの店は8月11日(火)〜13日(木)休みます

今年も火曜の定休日を含む3日間を盆休みといたします。出版業界の運休日は13日から16日ですから、合わした方が仕事の段取りはよいのですが、近年うちの店は週末とか連休が稼ぎ時なので、このような日程にしました。

このブログの7月15日に「いよいよ出版流通業界はその全面崩壊まで、残すところあと首の皮一枚半というあたり」と書いたところ、「一枚半」とはどういう勘定なのかと聞かれました。もちろん、なんの数字的根拠もない、ごくごく情緒的なものにすぎません。それでも、いちおう説明をしておきますと、日販とトーハンで「一枚」、大阪屋、栗田ほかで「半枚」というつもりです。よーするに、一番言いたかったことは、日販とトーハンが各一枚で計二枚ということではなく、両社は一蓮托生であろうということです。つまりどちらかがこけたら残った方の一人勝ちかといえば、残った1社では全部の出版社を支えるのは無理なので、出版流通業界の全面崩壊は避けられないだろうということです。日販とトーハンは表面上は激しく争っていますが、おそらく冷戦時代の米ソと同様に、共倒れするような致命的な事態を避けるために、水面下では協調しているはずです。「半枚」の大阪屋と栗田の二次卸スキームとかいうものは、あまりにも強引に出版社に損を押しつけようとしすぎているようで、うまくまとまるかは不明です。とくに突然出てきた「片面的解約権(返品権)付売買契約」とかいうものは、おそらく取次業界が秘匿していた最終兵器のようなものであり、失礼ながら栗田程度の案件に持ち出したのは戦略的には失敗だったように思われます。これはもっと上位の取次がピンチになるまで温存しておいたほうがよかったのでは…。もっとも、これで出版社が取次との約定書や契約書を見直すことになれば、業界全体が改善の方向に向かうかもしれませんが。

posted by 三月山 at 13:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 三月書房からのお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする