昨年までは「海鳴り」が出たら、編集工房ノアの本の通販のおまけとして配布していましたが、三月書房は昨年末に廃業しましたので、そーゆーことはできなくなりました。うちの店では毎年200冊ほども配布させていただいていましたので、今年もお知らせだけはしておきます。
この号で一番の読み物は、山田稔氏の「同僚━生田耕作さんのこと」でしょう。2段組み14頁分ありますが、山田氏が生田氏について、これだけまとまった量を書かれたのは初めてかと思います。そのほかの内容は上記の画像をクリックしていただけば目次が読めるはずです。
「海鳴り」の入手方法は聞いておりませんが、おそらく一部の書店では無料配布するはずです。非売品なのでこれだけを購入することはできないでしょう。発行所に頼めば送ってくれるのか、送料はいくらなのかもわかりません。これはあくまでも個人的な意見ですが、発行所に何か1冊通販の申し込みをして、ついでにおまけに添えてくれるようにお願いするのがよろしいかと思います。表紙の裏に昨年1月以降の新刊リストが掲載されています。下記に画像を載せておきますのでご参考にどうぞ。クリックすれば拡大するはずです。
まことに不便なことに、編集工房ノアにはサイトがありません。グーグルすると、いまだに三月書房のページが上位に出てきます。メールも利用されていません。ゆえに通販の申し込みは郵便か固定電話かFAXしかできないでしょう。住所と電話は検索すればすぐにわかるはずです。
2021年03月22日
「海鳴り」33号が届きました
2021年01月01日
謹賀新年 三月書房址
<天に唾する>京都の書店のうわさ 遺跡編27
昨年末で無事に廃業できました。まだ昨年度の青色申告が残っていますが、とくに問題はないはずです。とりあえず、廃業後の最初の仕事として、「址」と「(1950-2020)」をワープロで印字して表札に貼りました(※画像をクリックすると拡大します)。透明テープで貼っただけなので、そう長くは持たないでしょうが、金属板を作り直すのもおおげさなので、これで間に合わせておきます。
商売は完全に止めましたが、関係者からの要望が多いので「<吉本隆明>本 新刊のお知らせ」のメルマガだけはもうしばらく続けることになりました。もちろん情報提供のみで販売は一切できません。「三月書房 販売速報(仮題) 号外」も近況報告を兼ねてもうしばらくは送信することになるでしょう。ホームページも何らかの情報提供になりそうなページは、もうしばらくは残しておくつもりです。それからこのブログ「三月記(仮題)」もたまに暇ネタでもアップしようかと思っています。
うちの店はなんとか無事に脱出できましたが、書店業界の今後は平穏無事とも思えません。そう遠くないうちに、波乱万丈の展開があるやもしれませんが、関係者の皆様のご無事を願いつつ、のんびり見物させていただきます。
2020年12月30日
いよいよ廃業しますが「加藤一雄の小説」はついに出ないままでした
用美社から「加藤一雄の小説」の刊行予告が届いたのは2006年のことでした。当初の予定では「無名の南画家 」(1970年)と「蘆刈―あしかり 」 (1976年)の2本に「池大雅名作展」講演録を附録するというものでしたが、その後、富士正晴の評論も収録するとか、特装本も作るとかの情報はあったものの、なぜか遅れに遅れて、ついに2020年末までには出ないことが確定してしまいました。下にリンクを貼っておきますが、このブログでは、出そうとか、遅れたとか、何もわからないとか、10回以上も記事を書きました。ご予約いただいた方々は記録が残っているだけで20名近くおられますが、当店からの販売は不能となりましたので、ご予約はすべてキャンセルとさせていただきます。
昨日、用美社さんに最終確認したところ「加藤一雄集はあの時期熱のあるファンの方々より色々なご意見が重なり、断念した訳ではございませんが、時期をおいてからと思いそのままとなっております。また再始動しましたらご連絡します」とのことでした。このブログは廃業後もしばらくは続けるつもりですので、〈再始動〉の連絡があればお知らせできるかもしれません。あまりあてにせずにお待ちください。
○2017年01月31日「『加藤一雄の小説』近刊予告からついに10年越え」
○2016年01月24日「いまだ『加藤一雄の小説』が出るような気配はないような…」
○2015年01月18日「今年こそ『加藤一雄の小説』が出るかどうかはまったくわかりません」
○2014年03月02日「『加藤一雄の小説』はどうなったのでしょう?」
○2013年02月18日「『加藤一雄の小説』3月発売予定!「限定版」も刊行予定!!」
○2012年02月04日「『加藤一雄の小説』は今年も出ないかも」
○2011年01月18日「『加藤一雄の小説』は今年も「近刊」のまま」
○2009年08月25日「『加藤一雄の小説』は年内にでるかも?」
○2009年02月09日「こんどこそ出る?「加藤一雄の小説」
○2007年11月17日「ついに出る?『加藤一雄の小説』」
○2006年10月26日「『加藤一雄の小説』近刊のお知らせ」
2020年11月30日
いよいよ12月末で廃業です
三月書房販売速報[号外]
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2020/11/30[------] (c)SISIDO,Tatuo *転送歓迎*
e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 号外
※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#00] 11月30日付けにて日販からの最終入金が無事ありました。最終返
品の清算分と信認金の返却です。日販様と返品入帳してくださっ
た出版社様のご協力に感謝します。まだあと直接取引の版元など
との清算が10件ほど残っていますが、これらは12月中に完了させ
て12月31日付にて税務署に廃業届を提出する予定です。
ともあれ、右肩下がりがどこまで続くのかわからない出版業界か
ら、無事に脱出することができてほっとしました。今後の出版業
界の行方については、単なる野次馬として見物させていただくつ
もりです。せいぜい楽しませてください。
現在、通販を続けているのは<吉本>本の一部(猫々堂、脈、飢餓
陣営、続・最後の場所、放題、など)と編集工房ノア、ぽかん、
黒色戦線社、編集グループSURE、涼風書林、短歌本の売れ残り、
そして自由価格本の売れ残りなどです。
自由価格本は表示価格からさらに30%引きにしております。
お早めににどうぞ。
「三月書房販売速報」のバックナンバーはこちらでお読み下さい。
2020年09月12日
集英社のサイトに福岡氏のインタビューがアップされました
[集英社新書プラス プラスインタビュー]
“NY、京都、仮想空間――福岡ハカセがコロナ禍で考えた理想の書店
「地の地図」と「書の時間軸」を求めて”
集英社新書プラスの記事はかなりのボリュームで、これが紙の雑誌だとしたら20頁位にはなるでしょう。福岡氏が計画されている「動的書房」についても、詳しく述べられています。今回のだまし絵は、福岡氏が三月書房の看板を「動的書房」のギャラリーに収蔵したいとおっしゃったのがきっかけでした。朝日や毎日の取材を受けられた際にも話されたらしいのですが、記事では触れられていませんでした。
だまし絵の写真は、完成の翌日にフォトグラファーの阿部雄介氏が撮影されたすばらしいのが掲載されています。阿部氏はこのだまし絵の写真の画像処理の担当者なので、撮影の方向や距離など最適なのを5枚提供されています。他に、福岡氏が三月書房を紹介してくださった「週刊新潮」と「婦人之友」の過去記事も転載されています。今回のだまし絵の元写真は、「婦人之友」取材時に同社の亀村俊二氏が撮影されたものを使用させていただきました。
2020年09月10日
毎日新聞にも載りました。朝日とは大違いの良い記事です。
“三月書房が店を開けてる? 6月閉店の名店、シャッターに「だまし絵」”
2020年9月10日付「毎日新聞」朝刊[京都地域面]
この記事はウェブ版で全文無料公開されています。(※期限不明)
先日の朝日新聞記事とは大違いで、事実関係等間違いがありません。営業していたころの写真と、“別冊太陽”で永江朗氏がほめてくれた汚いシャッターの写真まで載っています。この“だまし絵”が美術作品として「芸術新潮」に載らないかなという、小生のややあつかましい希望もちゃんと記録されました。朝日の取材時にも、街ネタ扱いでなく、美術記事として扱ってくれないかと言ってはみたのですが、その可否はともかくとして、意味すら理解してもらえなかったようだったのとは雲泥の差です。
2020年08月26日
朝日新聞の夕刊に記事が載りましたが、また〈誤報〉?
“京都の三月書房、週休七日で開店? 発案は福岡伸一さん”
昨25日の昼頃、24日付けの「三月記」を読んだからということで、前回と同じ記者が取材に来られました。たまたま、そこに今回のシャッ
ターの画像処理担当された阿部氏も居合わされたので、とても充実した取材をしていただけたと安心していました。
「三月記」を読んだら、だまし絵の三月書房を発案したのは小生であり、福岡氏はそれに賛同してくださったのだということはわかるはず
です。ただし、こちらは絵の具か何かで描いてもらうつもりだったのを、デジタル写真でと提案されたのは福岡氏であり、途中経過を省けば〈誤報〉とまでは言えないかもしれませんが…。
このようなシャッター絵に作者も著作権もありませんし、しいて言うなら、元の写真撮影者と阿部氏と福岡氏と小生の共同制作ということ
になるでしょう。ただ、自分としては、このだまし絵を最初に思いついたのは自分だったということを、ちゃんと書いてほしかったのになと思っているだけです。
単に往時の風景を再現するだけなら、シャッター三枚全部にリアルな画像を張り付ければすむことですが、そんなことをしたら、24時間営業してるみたいになってしまいます。絵画風に画像処理したのを貼った両側のシャッター、そして真ん中のガラス戸2枚と自転車と看板は実物であり、それらを組み合わせたからこそ「だまし絵」になっているわけで、そのあたりを一生懸命説明したのに記事に生かされていないようで少し残念でした。よくはわかりませんが、字数とかいろいろ制約がおありなのでしょう。
2020年08月24日
トロンプ・ルイユ三月書房
三月書房のシャッターにだまし絵(トロンプ・ルイユ)を貼りました。両側が数年前の写真を加工したもので、真ん中の戸2枚と自転車は実物です。ちょっと離れて見ると営業中のように見えなくもないけれど、近くに寄ってみると中には入れないという趣向です。
ご承知の通り、地べたの店は6月に閉店しましたが、シャッターを閉めたままだと景色が悪いし、シャッターそのものも薄汚れてかなり見苦しくなっていました。建物自体が昭和戦前の木造古家なので、いずれは改装、改築、新築、売却等なんらかの手を打つ必要があるのですが、それは
数年以上先のことになりそうなので、一時しのぎとして、何か絵でも描いてもらおうかと考えていました。さしあたっては近所の美術工芸高校と少し交流があるので、生徒さんたちに頼めば安くあがるのではと思ったりもしていました。
絵柄は花鳥風月とか名所風景とかのありきたりのはいやなので、だまし絵で、ほんとは閉まってるのだけれど、営業しているように見える 本屋の絵を描いてもらったら面白いのではと思いつきました。その場合、以前の三月書房風、あるいはパリかロンドンあたりの古い本屋風で、リアルよりは幻ぽいのがよいのではと考えたりしていました。
そこへ青山大学の福岡伸一教授から思いがけない提案が来ました。三月書房の看板をモノとして譲ってほしいとのこと。「動的書店」という書店を企画していて、そこのギャラリーに「ドリトル先生」の初版本、ダーウィンの原書などと一緒に展示したいとのこと。福岡センセは学生時代からのお客さんで、近年も雑誌のコラムなどで何度も三月書房のネタ記事を書いて宣伝してくださるごひいき様ですが、こんな物を所望されたのには驚きました。
それで、看板を譲るのはかまわないけれど、トロンプ絵の計画があり、その場合は看板を残しておく必要があるので、不要になるまで数年待っ
てほしいと返事しました。そしたら、「トロンプ・ルイユのアイデア、なかなか秀逸ですね。すばらしいと思います。予算がどれくらいかかるか、ちょっと見積もってみます。これを私どもファンで出します。」とのありがたいお申し出があり、あとはデジタル写真の入手から、デザインまで、あっという間に仕上げてくださいました。現場での貼り付け作業はこちらの町内の業者に依頼ました。こちらとしても全額負担していただくのは心苦しいので、もしも高校生に頼んだらこのぐらいだったかという程度の金額を負担しました。デザイン料がどの位かかったのかは聞いていませんが、京都でのプリント印刷と現場での貼り付け作業は十数万円でした。
うちの商店街は今世紀に入ってからはなかなか好調で、レベルの高いお店が次々に開店し、シャッター商店街とはほど遠い状況でしたが、コロ
ナ禍以降閉店が増えつつあります。コロナ恐慌はまだまだ収まりそうもないので、さらに閉店が増えるかもしれません。うちの店は2月の新聞
報道にもあったように、コロナとは無関係の閉店理由なのですが、世間ではコロナで潰れたと思ってる人たちも少なくないようです。そういう
誤解を解くためにも、先日の古本まつりや今回のだまし絵のような遊びをして、少しは“余裕”があるところを見せたほうがよいかもと思っています。
2020年08月08日
明日正午より「納涼“小”古本まつり@三月書房跡」
「萩書房とダンデライオンの納涼“小”古本まつり@三月書房跡」は予定通り明日正午に開場します。今日、両店の搬入が完了し、なかなか面白そうな本が並びました。壁沿いは三月書房の棚が残っていますが、真ん中の特設台が以前より低いので、店の雰囲気が少し明るくなりました。通路も補助台をとっぱらったので、少し広くなっています。今夜は家主の特権として、キディランドを借り切ったマイケル・ジャクソンのような気分で見物しています。個人的にはまったく興味がない法経書や仏教書などがほとんどないのがうれしい。まだ本屋根性が抜けてないので、ついつい棚の本を勝手に並べかえたりしてしてしまうのが何ですが。
其中堂、尚学堂、赤尾照文堂と三月書房跡の4か所を回る「寺町ふるほん“プチ”スタンプラリー」もあります。
また火曜か水曜にはグレゴリ青山センセのサイン本と手作りバッグも入荷するらしい。グレ印の手作りバッグは、6月に出た「グレさんぽ ~猫とかキモノとか京都とか~」収録の“強迫性ハギレ消化症候群”による制作物と思われます。
2020年07月30日
萩書房とダンデライオンの納涼“小”古本まつり@三月書房跡
萩書房とダンデライオンの納涼“小”古本まつり@三月書房跡
日時:2020年8月9日(日)〜16日(日) 12時〜17時ごろ
場所:三月書房跡(寺町二条上ル西側)
主催;萩書房II、古書ダンデライオン
協力:三月書房
こんなことをしてみます。当店は古物業の許可をとっていないので、主催はできません。あくまで場所貸しです。店の中央の本棚などをとっぱらっただけで、何ら改装していないので、まともな料金で貸せるような設備状態ではありません。飲み仲間の古本屋たちに、超格安で貸して、一緒に遊ばせてもらおうという企画です。
ちらしはやはり飲み仲間のグレゴリ青山センセの旧作を超格安で使わせていただきました。チラシの元画像はごちらのブログに貼ってあります。
今年は京都の三大古本まつりのうち、春の勧業館と夏の下鴨神社のがすでに中止になっています。古本屋さんの倉庫にはおまつり用の商品があふれているし、古本ファンも行き場がなくて、たぶん退屈されているでしょう。そーいうことで、なかなかよさそうな催しだとは思うのですが、問題はお客が集まりすぎることです。
10坪の売り場なので15人ほども入れば密になりそうです。その場合は入場制限とかしなくてはならないでしょうが、入場待ちの人を炎天下に並ばせるのは無理があるでしょう。もちろん、ちっともお客が来ないのもいやですが、多すぎず、少なすぎず、店もお客も快適な集客をするには、どのような宣伝したらよいのかがわかりません。こちらの都合だけ言えば、家族連れとかでなく、単独行動で、あまり長居しない方ばかりに来てほしいのですが、たぶんそううまくは行かないでしょう。
なお、貸会場業を始めるつもりはまったくありません。店舗以外の部分で家族が生活しているので、心安くない人には貸せません。他の古本屋さんや他業種の方に貸す予定は、今のところまったくありませんのでご了承ください。